2016年4月27日(水)に全県例会・第53回定時総会を開催しました。

全ての議案は満場一致で採択されました。
ここに定時総会の議案書をお知らせ致します。
詳しくは下記にてご確認ください。

定時総会の議案書


第3号 神奈川同友会景況調査報告(KDレポート) (2015年7〜9月期)

業況水準、売上高、経常利益ともプラス水準である。しかし、業種間の格差が顕著に表れている。特に製造業と商業の各DI の数値が他業種よりも低くなっている。また、依然として全業種ともに人手不足の状態から脱却できていない。今後、さらなる人材確保や人材教育といった取り組みを強化していく必要がある。

 

  • 売上高DI、経常利益DI ともにほぼ2 ケタ水準を維持している。次期見通しにおいても売上高DI、経常利益DI で高い数値となっている。前年同期比では消費税増税後の需要の停滞時期との比較となったが、プラス水準を維持している。業況水準DIに関しても34となっている。ただ、製造業、商業では、他の業種と比較すると低い数値となっているので、円安等の経済情勢が影響しているものとみられる。
  • 設備投資の実施企業は全体の2 割強で、建設業、製造業では4 割弱となっており、他の業種よりも設備投資に前向きである。設備投資の内訳では「機器設備」「事務所・店舗」「情報システム関連」という順で割合が高い。
  • 資金繰の状況では、窮屈感は強く表れていない。
  • 経営上の問題は、「従業員不足」「同業者相互の価格競争の激化」「人件費の増加」の順に割合が高い。これらの課題をクリアするために「新規受注の確保」「付加価値の増大」「人材確保」を重視する傾向にある。
  • 全体として景況は、足踏み状態にある。建設業では依然受注量の増大がみられるが、製造業と商業では、停滞傾向にある。大企業の景気回復といった傾向は見受けられるものの、日本経済の先行きは不透明である。会員企業は経済情勢に対応した経営行動が求められる。

 

【調査要領】

(1)調査時 2015 月9月10日〜10月10 日
(2)対象企業 神奈川県中小企業家同友会会員
(3)調査の方法 e.doyu(会員グループウェア)とFAX によるアンケート
(4)回答企業数 754 社より126 社の回答を得た(回答率16.7%)
(建設業12社、製造業37社、商業40社、サービス業37社)
(5)平均社員数(1)正規社員24.2 人 (2)パート・アルバイト9.7人

※文章中のDI とは、ディフュージョンインデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値です。

 

 

神奈川県中小企業家同友会の景況調査
〜概況報告〜

玉川大学経営学部助教 長谷川英伸

 

景況調査の結果

1. 売上高・経常利益・経常利益の水準・業況水準

1-1. 売上高

全業種の売上高のDI は、前期比で20、前年同期比で22、次期見通しは28 となっている。各業種のDIは下記の図表1の通りである。神奈川県中小企業家同友会の会員企業の業績は全業種プラス水準を示している。しかし、前期比の業種別では、建設業の50、製造業の13、商業の10、サービス業の28 となっており、業種間の格差が存在する。また、前年同期比の場合では、建設業の64、製造業の22、商業の13、サービス業の20の数値を示しており、業種間の格差がみられる。特に建設業のDI は他業種よりも高い数値となっている。建設業は2020 年に開催予定である東京オリンピックの会場設営等の需要増加の影響によって、業績を伸ばしている可能性がある。製造業と商業が比較的低い数値となっている背景には、製造業では円安による原材料費の高騰、大企業の設備投資の伸び悩みが影響しており、商業では製造業と同じく、円安による輸入品の高騰が影響していると考えられる。一方、サービス業では前期比、前年同期比のDI が20 を超えており、海外からの旅行者による需要増加等で観光業や飲食業を中心に業績を伸ばしている可能性がある。

 

図表1 売上高DI値

図表1 売上高DI値

筆者作成

 

1-2. 経常利益

次に、経常利益をみてみる。全業種の経常利益のDI は、前期比で19、前年同期比で18、次期見通しは17 となっている。各業種のDI は下記の図表2 の通りである。売上高DI 同様、全業種でプラス水準である。建設業とサービス業に関しては、前期比がともに20を超えており、他の業種と比べて比較的高い水準を示している。さらに建設業においては、前期比で55、前年同期比で60となっており、売上高の推移と比例しても高い数値である。一方、製造業と商業の前期比、前年同期比は一桁の数値となっている。製造業と商業では、売上高のDI も比較的低く、業績が伸び悩んでいることがわかる。サービス業においては、売上高DI の数値と連動して高くなっている。既述しているとおり、経常利益のDI でも業種間の格差がみられ、今後の動向に注視していく必要がある。

 

図表2 経常利益DI値

図表1 売上高DI値

筆者作成

1-3. 経常利益の水準・業況水準

経常利益の水準については、黒字の割合から赤字の割合を差し引いた経常利益水準DIでみていく。全業種のDIは34、建設業→75、製造業→22、商業→25、サービス業→43 である。全業種で黒字傾向にあることがわかる。特に建設業は75とかなり高いDIを表している。業況水準については、今期と次期見通しについてみていく。今期の全業種のDIは10、建設業→50、製造業→△11、商業→0、サービス業→27である。建設業は、売上高DI、経常利益DIと同様に業況水準もかなり高い数値を示している。一方、製造業がマイナス水準に落ち込んでおり、景気の停滞がみられる。業況水準の結果をみると、業種別の景気動向に大きな差異が表れており、特に建設業を取り巻く経営環境が良いことがわかる。次期見通しの全業種のDI は30、建設業→42、製造業→30、商業→15、サービス業→41 である。4製造業は次期見通しになった場合、大きく数値を回復している。その他の業種では商業が比較的低い数値となっている。

 

2. 売上・利益が増加した理由、減少した理由

売上・利益が増加した理由として1 番多かったのが、「売上数量・客数の増加」の47.6%であった。次いで「売上単価・客単価の上昇」の16.7%、「得意先の業況変化」の12.7%であった(「その他」の18.3%は除く)。一方、売上・収益が減少した理由でも1番多かったのが、「売上数量・客数の減少」「売上単価・客単価の低下」の23.0%であった。次いで多かったのが、「得意先の業況変化」の12.7%、「人件費の増加」の11.9%であった。今回の結果では、売上・収益の減少理由として、「人件費の増加」の割合が増加しており、人手不足の解消のために人件費を増加させている傾向がみられる。

 

3. 設備投資の状況、資金繰の状況

設備投資について、今期の実施状況と次期の実施予定状況についてみていく。今期、設備投資を実施したと回答したのは全体の28.6%にとどまった。さらに、次期に設備投資を計画していると回答したのは31.0%であり、次期に設備投資を計画している割合が若干増加傾向にある。今期に設備投資を実施したと回答した企業で投資した項目別にみてみると、多い順に、「機器設備」が69.4%、「事務所・店舗」が19.4%、「情報システム」が11.1%であった。次期の設備投資計画でも、「機器設備」が59.0%と高い割合を示しており、次いで「事務所・店舗」が20.5%、「情報システム」「その他」がともに15.4%であった。設備投資を行う際には、自社の製品・サービスの質を高めることにつながる機器設備が対象となる傾向が強い。資金繰の状況について、今期の借入金の増減と現在の資金繰の状況をみていく。今期の借入金に関して、増加→11.9%、横ばい→30.2%、減少→25.4%、無借金→31.7%で借入金が減少している会員企業の割合が高いことがわかる。一方、資金繰の状況に関しては、余裕あり→17.5%、やや余裕→15.1%、順調→34.9%、やや窮屈→22.2%、窮屈→7.9%と余裕ありとやや余裕と回答した企業が3 割を超えており、窮屈感はみられない。自社の業績を伸ばすための設備投資等で資金が必要な場合には、円滑に資金調達が可能な会員企業が比較的多いことがわかる。

 

4. 現在の経営上の問題点・力点

現在の経営上の問題点をみていく。これは各企業上位3つまでを選び回答したものである。1番高い割合を示したのが、「従業員不足」の33.3%で、次いで「同業者相互の価格競争の激化」の27.0%、「人件費の増加」の23.0%となっている。大企業を中心に新卒採用(大学生)の規模を拡大しており、中小企業の採用活動が順調とは言い難い。そのような背景から、人を採用するために就職説明会等の開催の増加や、給与の増加も検討せざる得なくなっていることがあげられる。経営上の力点については、現在実施している項目と、今後新たに実施したい項目それぞれで上位3つまでを選んで回答したものである。まず、現在実施中の力点では、多い順に、「新規受注の確保」→53.2%、「付加価値の増大」→42.9%、「社員教育」→29.4%となっている。今後新たに実施したい項目で1番多かったのは、「新規受注の確保」の40.0%であった。次いで、「付加価値の増大」→38.9%、「人材確保」→26.2%となっている。現在実施中の項目の上位と今後新たに実施したい項目の上位がほぼ同じであったが、「社員教育」「人材確保」といった項目の割合が高くなっており、人を採用し、育てていく重要性が改めて認識された。また、自由記述(特別質問の項目)で回答されていたなかで、経営上の問題点・力点に関連した内容に触れてみると、「事業継承者を育てるのが1 番大変だと思う。他店は跡継ぎがなく、店をたたむ自営業が多い」といった声や、「現状の繁忙はオリンピックまでは続くと思われる。その後建設業界は一挙に冷え込むと考えておくことが大切で、それまでに企業の転換を考える必要があると思われる」といった声があった。上記のように、常に景気動向に注視しながら、販路開拓を実現できる組織体制を構築していく必要性がある。自社の製品・サービスの強みを改めて見つめ直し、既存の取引先だけではなく、多岐にわたる取引先を開拓していく姿勢が重要となる。

 

5. 特別質問の結果について

今回の特別質問では、会員企業の経営状況を具体的に把握するために、「直近の決算状況」「経営理念について」「経営方針について」「経営計画について」「前年度と比較した正規雇用の増減」の項目を設けた。まず、「直近の決算状況」では、黒字→63.5%、横ばい→19.0%、赤字→14.3%、無回答→3.2%となった。黒字の割合が約6 割となっており、会員企業は黒字傾向にあることがわかる。次に、「経営理念について」では、明文化されている→62.7%、明文化されていない→22.2%、作成中→10.3%、無回答→4.8%となった。経営理念の明文化に取り組んでいる会員企業が多いことがわかる。「経営方針について」では、明文化されている→62.7%、明文化されていない→23.0%、作成中→11.1%、無回答→3.2%となった。経営方針の明文化に取り組んでいる会員企業が多いことがわかる。「経営計画について」では、明文化されている→54.0%、明文化されていない→31.0%、作成中→11.8%、無回答→3.2%となった。経営計画の明文化に取り組んでいる会員企業が過半数となっているが、明文化されていない会員企業も少なからず存在していることがわかる。「前年度と比較した正規雇用の増減」では、増加した→37.3%、横ばい→46.0%、減少した→13.5%、無回答3.2%となった。横ばいが多くなっているが、増加した割合も約4 割近くあった。上記のような結果を基に、経営理念、経営方針、経営計画と売上高(前年同期比)、経常利益(前年同期比)、直近の決算(黒字)の関係性を明らかにするためにクロス分析1を行った。経営理念、経営方針、経営計画を明文化している会員企業の方が、売上高の増加、経常利益の増加、直近の決算の黒字の割合が全体的に高い。特に直近の決算の黒字の場合では、約7 割以上が経営理念等を明文化している会員企業となっている。一方、成文化しない会員企業でも、各項目で増加の割合が低くはなく、神奈川県中小企業家同友会の会員企業は全体的に経営状態が良いといえる。

 

図表3

第3号 神奈川同友会景況調査報告(KDレポート)


2015年5月20日(水)に第52回定時総会&50周年記念式典を開催しました。

2015年5月20日(水)に第52回定時総会&50周年記念式典を開催しました。
全ての議案は満場一致で採択されました。
ここに定時総会の議案書をお知らせ致します。
詳しくは下記にてご確認ください。

第52回定時総会議案書


第2号 神奈川同友会景況調査報告(KDレポート) (2015年1〜3月期)

業況水準、売上高、経常利益とも高い数値を表している。業種によっては高低差があるものの、全業種ともに景況は回復傾向にある。しかし、全業種ともに人手不足感が強くなっており、人材確保や人材教育といった取り組みを強化していく必要もある。

 

  • 売上高DI、経常利益DIともに2ケタ水準を維持している。次期見通しにおいても売上高DI、経常利益DIで20を超える数値となっている。前年同期比では消費税増税前の駆け込み需要があった時期であるのにもかかわらず、高い数値を表している。業況水準DIに関しても37となっている。ただ、サービス業では、他の業種と比較すると低い数値となっているので、消費税増税後の影響をいまだに受けている可能性はある。
  • 設備投資の実施企業は全体の2割強であり、商業では3割強となっており、他の業種よりも設備投資に前向きである。設備投資の内訳では「機器設備」、「事務所・店舗」、「情報システム関連」という順で割合が高い。
  • 資金繰の状況では、若干窮屈感がみられる程度である。
  • 経営上の問題は、「従業員不足」、「同業者相互の価格競争の激化」、「人件費の増加」の順に割合が高く、これらの課題を解決する方策として「新規受注の確保」、「付加価値の増大」、「人材確保」が重視されている。
  • 全体として景況は、回復傾向にある。建設業では受注量の増大がみられる。また、消費税増税後の影響が大きかった商業でも各DIが増加傾向にある。しかし、経済情勢の見通しは不透明なところもあり、会員企業は継続的な経営体質の強化が求められる。

 

【調査要領】

(1)調査時 2015月3月12〜31日
(2)対象企業 神奈川県中小企業家同友会会員
(3)調査の方法 e.doyu(会員グループウェア)とFAXによるアンケート
(4)回答企業数 733社より109社の回答を得た(回答率14.9%)
(建設業8社、製造業38社、商業24社、サービス業38社)
※不明1社含まず
(5)平均社員数 1.正規社員27.5人 2.パート・アルバイト60.7人
※文章中のDIとは、ディフュージョンインデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値です。

 

 

神奈川県中小企業家同友会の景況調査
〜概況報告〜

玉川大学経営学部助教 長谷川英伸

 

景況調査の結果

1. 売上高・経常利益・経常利益の水準・業況水準

1-1. 売上高

全業種の売上高のDIは、前期比で25、前年同期比で36、次期見通しは27となっている。各業種のDIは下記の図表1の通りである。全業種をとおして、プラス水準となっており、神奈川県中小企業家同友会の会員企業の経営体質が良いことがわかる。特徴的なのが、商業の前年同期比DIが52となっていることである。前年同期比の場合、消費税増税前の駆け込み需要の時期と比較しているため、ある程度の低い数値が示されると予測されていたが、商業は消費税増税後の影響を受けていないのか、それとも回復傾向にあるのかのどちらかであると考えられる。また、建設業において次期見通しのDIが63で、突出して値が高い。建設業は、東京を中心とするオリンピック関連による施設の整備等で需要が見込まれていると考えられる。一方、サービス業では前期比のDIが13となっており、他の業種と比較して低い数値となっている。これは、飲食業を中心に人手不足感が強く出ているため、思うように売上が伸びないことが要因と考えられる。

 

図表1 売上高DI値

図表1 売上高DI値

筆者作成

 

1-2. 経常利益

次に、経常利益をみてみる。全業種の経常利益のDIは、前期比で16、前年同期比で27、次期見通しは25となっている。各業種のDIは下記の図表2の通りである。売上高DI同様、全業種でプラス水準である。建設業と商業に関しては、前期比がともに20を超えており、他の業種と比べて比較的高い水準を示している。さらに建設業においては、次期見通しの数値が50となっており、売上高の見通しと比例して高くなっている。一方、製造業の前期比のDIが11と、他の業種に比べて低く、売上高DIが高いにも関わらず、利益をあげることができていない。製造業は、原油高や円安による原材料費の高騰の影響によって、価格に転嫁できていない可能性がある。サービス業においては、売上高DIともに他の業種よりも低く推移しており、今後の動向を注視していく必要がある。

 

図表2 経常利益DI値

図表1 売上高DI値

筆者作成

 

1-3. 経常利益の水準・業況水準

経常利益の水準については、黒字の割合から赤字の割合を差し引いた経常利益水準DIでみていく。全業種のDIは45、建設業→75、製造業→45、商業→50、サービス業→34である。全体をとおして高い数値を示している。なかでも建設業は75と突出したDIを表している。

業況水準については、今期と次期見通しについてみていく。今期の全業種のDIは37、建設業→75、製造業→42、商業→46、サービス業→16である。建設業は、売上高DI、経常利益DIと同様に業況水準もかなり高い数値を示している。神奈川県中小企業家同友会の会員企業において、建設業を取り巻く経営環境が良いことがわかる。次期見通しの全業種のDIは20、建設業→63、製造業→16、商業→21、サービス業→16である。ここでも建設業が高い数値を示している。

 

2. 売上・利益が増加した理由、減少した理由

売上・利益が増加した理由として1番多かったのが、「売上数量・客数の増加」の54.1%であった。次いで「売上単価・客単価の上昇」の11.9%、「得意先の業況変化」の11.0%であった。一方、売上・収益が減少した理由でも1番多かったのが、「売上数量・客数の減少」の16.5%であった。次いで多かったのが、「原材料費・商品仕入額の増加」、「得意先の業況変化」で、ともに10.1%であった。増加した理由も減少した理由もほぼ同じであることがわかる。

 

3. 設備投資の状況、資金繰の状況

設備投資について、今期の実施状況と次期の実施予定状況についてみていく。今期、設備投資を実施したと回答したのは全体の27.5%にとどまった。さらに、次期に設備投資を計画していると回答したのは37.6%であり、次期に設備投資を計画している割合が増加傾向にある。今期に設備投資を実施したと回答した企業で投資した項目別にみてみると、多い順に、「機器設備」が43.3%、「事務所・店舗」が26.7%、「その他」が23.3%であった。次期の設備投資計画でも、「機器設備」が43.9%と高い割合を示しており、次いで「事務所・店舗」が19.5%、「情報システム」、「その他」がともに14.6%であった。経営に不可欠な機器設備への設備投資を行うことによって、自社の存立基盤を強化しているといえる。

資金繰の状況について、今期の借入金の増減と現在の資金繰の状況をみていく。今期の借入金に関して、増加→8.3%、横ばい→33.0%、減少→27.5%、無借金→30.3%で、借入金が増加している企業の割合が少ないことがわかる。一方、資金繰の状況に関しては、余裕あり→20.2%、やや余裕→11.9%、順調→29.4%、やや窮屈→31.2%、窮屈→5.5%と、余裕ありとやや余裕と回答した企業が約3割を占めており、さほど窮屈感はみられない。しかし、日本経済の見通しは必ずしも良い方向に進んでいるとは言い切れず、資金繰の状況も今後注目していく必要がある。

 

4. 現在の経営上の問題点・力点

現在の経営上の問題点をみていく。これは各企業上位3つまでを選び回答したものである。1番高い割合を示したのが、「従業員不足」の28.4%で、次いで「同業者相互の価格競争の激化」の27.5%、「人件費の増加」の23.9%となっている。全業種で従業員不足の懸念が高まっており、特に建設業においては、技術職の採用が困難となってきている。

経営上の力点については、現在実施している項目と、今後新たに実施したい項目それぞれで上位3つまでを選んで回答したものである。まず、現在実施中の力点では、多い順に、「新規受注の確保」→52.3%、「付加価値の増大」→40.4%、「人材確保」→31.2%となっている。今後新たに実施したい項目で1番多かったのは、「付加価値の増大」の46.8%であった。次いで、「新規受注の確保」→37.6%、「人材確保」→25.7%となっている。現在実施中の項目の上位と今後新たに実施したい項目の上位がほぼ同じであった。この結果は、新規の受注を確保していかなければ、既存の受注だけでは自社の成長発展が実現できないからであるといえる。それと同時に、自社の製品・サービスの付加価値の増大も重要な経営行動となり、経営基盤の強化には欠かせないものである。現在の経営上の問題点の回答割合でも高かった、「従業員不足」という経営上の課題が見受けられるので、「人材確保」という努力は今後も引き続き行わなければならない。

 

5. 神奈川県内の景況
[各景況調査のDIの名称及び意味合いは若干違いがあることを留意していただきたい。]

今回の神奈川県中小企業家同友会のDIは全面的に高い数値を表しているのだが、会員企業の経営状態が良いのか、神奈川県内の中小企業の経営状態が良いのかという判断が困難である。そこで、神奈川県内で行われている他の景況調査に着目し、今回の景況調査結果と比較検討をしてみる。(公財)神奈川産業振興センターが行っている「平成27年1-3月期中小企業景気動向調査結果」によれば、全業種では業況DIは△27.5、売上高DIは△21.9、採算DIは△29.6となっている。また、横浜信用金庫が行っている「景況レポートNO.95」によれば、全業種では業況判断DIは0.0、売上額DIは7.3、収益DIは△2.5となっている。さらに、川崎信用金庫が行っている「中小企業動向調査」によれば、全業種では業況DIは0.4、売上額DIは0.6、収益DIは△4.7となっている。

 

上記の各景況調査の結果をみると、神奈川県中小企業家同友会の景況調査のDIが高い数値を示していることがわかる。各景況調査の回答数等の違いはあるにせよ、神奈川県中小企業家同友会の会員企業の経営状態は神奈川県内でも比較的良いといえる。会員企業は激変する経営環境に適応できる経営体質を持ち合わせていることが証明された。

各景況調査のDIの名称及び意味合いは若干違いがあることを留意していただきたい。

第2号 神奈川同友会景況調査報告(KDレポート)


第1号 神奈川同友会景況調査報告(KDレポート) (2014年7〜9月期)

  • 売上高、経常利益ともプラス水準である。ただ、業種によってはマイナス水準になっているところもあり、業種間格差がみられる。今後、円安や消費税増税といった経済情勢に注意しながら、会員企業は経営体質の強化を図らなければならない。
  • 売上高DI、経常利益DIとも前期比、前年同期比ともに2ケタ水準になっており、安定した経営体質を維持しているといえる。次期見通しでもプラス水準を保っており、会員企業の日頃の経営努力の積み重ねによるものとみられる。しかしながら、次期見通しで唯一マイナス水準となった商業では、消費税増税による一般消費者の需要停滞がさらに悪化すると見込まれる。また、サービス業は次期見通しのDIが高く、需要の増加が見込まれる。
  • 設備投資の実施企業は全体の2割強であり、建設業・商業でやや設備投資に前向きな姿勢がみられる。設備投資の内訳では「機器設備」、「情報システム関連」、「事務所・店舗」を中心に設備投資の割合が高い。
  • 資金繰の状況では、窮屈感がみられ今後の動向に注目する必要がある。
  • 経営上の問題は、「同業者相互の価格競争の激化」、「従業員不足」の割合が高く、これに対応するため、「新規受注の確保」、「付加価値の増大」、「人材確保」に力点が置かれている。
  • 全体として景況は、良い傾向にある。建設業を中心に需要増大がみられる一方、内需依存度の高い商業は厳しい状況が続く。業種間の格差はみられるものの、全体的に会員企業の経営体質は良いといえる。引き続き会員企業の経営体質を強化していく取り組みが必要である。

 

【調査要領】

(1)調査時 2014月9月11〜30日
(2)対象企業 神奈川県中小企業家同友会会員
(3)調査の方法 e.doyu(会員グループウェア)とFAXによるアンケート
(4)回答企業数 716社より124社の回答を得た(回答率17.3%)
(建設業12社、製造業38社、商業29社、サービス業43社)
※不明2社含まず
(5)平均社員数 1.正規社員20.3人 2.パート・アルバイト8.5人
※文章中のDIとは、ディフュージョンインデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値です。

 

 

神奈川県中小企業家同友会の景況調査
〜概況報告〜

玉川大学経営学部助教 長谷川英伸

景況調査の結果

1.売上高・経常利益・経常利益の水準・業況水準

1-1. 売上高

全業種の売上高のDIは、前期比で13、前年同期比で23、次期見通しは13となっている。各業種のDIは下記の図表1の通りである。全業種をとおして、数値が高く、経営状態が良いことがわかる。特徴的なのが、建設業の前年同期比DIが42となっていることである。この背景には、消費増税前の駆け込み需要によって、住居用のマンション等の建設が進み、その余波がいまだに続いている可能性が高い。一方、商業に限っては次期見通しのDIが△4で、この図表1のなかで唯一のマイナス水準である。この要因としては、消費税増税後の一般消費者の需要低迷が長期にわたって続くことが考えられる。

 

図表1 売上高DI値

図表1 売上高DI値

筆者作成

1-2. 経常利益

次に、経常利益をみてみる。全業種の経常利益のDIは、前期比で11、前年同期比で10、次期見通しは8となっている。各業種のDIは下記の図表2の通りである。売上高DI同様、全業種をみてもほぼプラス水準である。建設業に関しては、前期比、前年同期比ともに33と他の業種と比べて高い水準を示しており、売上高と連動している。ただ、次期見通しに限り、建設業は0と低く、円安による材料費の高騰等によって、利益が減少傾向にあると考えられる。商業では、前年同期比のDIが△12となっており、売上高がプラス水準であったとしても、消費税増税後の増税分を価格に転嫁できていない現状が示唆される。次期見通しについても0であり、今後需要停滞の厳しさが増していくことが見込まれる。

 

図表2 経常利益DI値

図表1 売上高DI値

筆者作成

 

1-3. 経常利益の水準・業況水準

経常利益の水準については、黒字の割合から赤字の割合を差し引いた経常利益水準DIでみていく。全業種のDIは25、建設業→5、製造業→24、商業→41、サービス業→12である。全体をとおしてプラス水準である。なかでも商業は41と突出したDIを表している。

業況水準については、今期と次期見通しについてみていく。今期の全業種のDIは4、建設業→5、製造業→0、商業→△7、サービス業→2である。商業は経常利益の水準では突出して高いDIを表していたにも関わらず業況水準ではマイナスの数値となっており、売上高DIと経常利益DIに連動していることがわかる。次期見通しの全業種のDIは12、建設業→5、製造業→11、商業→17、サービス業→0である。ここでは商業がプラス水準に持ち直している。

 

2. 売上・利益が増加した理由、減少した理由

売上・利益が増加した理由として1番多かったのが、「売上数量・客数の増加」の49.2%であった。次いで「得意先の業況変化」の16.9%、「売上単価・客単価の上昇」の8.1%であった。一方、売上・収益が減少した理由でも1番多かったのが、「売上数量・客数の減少」の19.4%であった。次いで多かったのが、「得意先の業況変化」の13.7%、「原材料費・商品仕入額の低下」の12.1%と、増加した理由も減少した理由もほぼ同じことであることがわかる。

 

3. 設備投資の状況、資金繰の状況

設備投資について、今期の実施状況と次期の実施予定状況についてみていく。今期、設備投資を実施したと回答したのは全体の26.6%にとどまった。さらに、次期に設備投資を計画していると回答したのは27.4%であり、若干上昇しているが設備投資の傾向は芳しくない。今期に設備投資を実施したと回答した企業で投資した項目別にみてみると、多い順に、「機器設備」が36.4%、「事務所・店舗」が33.3%、「情報システム」が21.2%であった。次期の設備投資計画でも、「機器設備」が55.9%と高い割合を示しており、次いで「事務所・店舗」が26.5%、「情報システム」が8.8%であった。事業運営に特に重要な項目があがっていると考えられる。

資金繰の状況について、今期の借入金の増減と現在の資金繰の状況をみていく。今期の借入金に関して、増加→16.9%、横ばい→30.6%、減少→26.6%、無借金→24.3%で、借入金が増加している企業の割合が比較的少ないことがわかる。一方、資金繰の状況に関しては、余裕あり→13.7%、やや余裕→13.7%、順調→31.5%、やや窮屈→31.5%、窮屈→8.0%とやや窮屈もしくは窮屈と回答した企業が約4割もあった。また、資金繰に余裕があっても、必ずしも設備に投資しているとはいえず、景気の先行きが不透明な現状では余裕のある資金を蓄える傾向にあるといえる。

 

4. 現在の経営上の問題点・力点

現在の経営上の問題点をみていく。これは各企業上位3つまでを選び回答したものである。1番高い割合を示したのが、「同業者相互の価格競争の激化」の32.3%で、次いで「従業員不足」の29.0%、「仕入単価の上昇」の26.6%、「人件費の増加」の25.0%となっている。従業員が不足しているうえに、人件費の増加も問題となっており、人手不足感による経営体質の悪化が懸念される。

経営上の力点については、現在実施している項目と、今後新たに実施したい項目それぞれで上位3つまでを選んで回答したものである。まず、現在実施中の力点では、多い順に、「新規受注の確保」→57.3%、「付加価値の増大」→44.4%、「社員教育」→32.3%、「人材確保」→30.6%となっている。今後新たに実施したい項目でも1番多かったのは「新規受注の確保」の39.5%であった。次いで、「付加価値の増大」→35.5%、「人材確保」→30.6%、「新規事業の展開」→26.6%、「社員教育」→25.8%となっている。現在実施中の項目の上位と今後新たに実施したい項目の上位がほぼ同じであった。この結果は、既存の顧客を大切にしながらも、新規の顧客を開拓するための経営行動に積極的に取り組んでいるとみられる。さらに、人材確保や社員教育も上位にあがっており、従業員不足の課題を克服するための取り組みに力を入れているといえる。

 

5. 特別質問

5-1. メインの取引金融機関

メインの取引金融機関としては「信用金庫」が39社(31.5%)と最も多く、次いで「都市銀行」の38社(30.7%)、「地方銀行」の32社(25.8%)、「政府系金融機関」の6社(4.8%)、「信用組合」の2社(1.6%)となっている。信用金庫と都市銀行はほぼ同数で、地方銀行も大差がなく、この3つのいずれかを主な取引金融機関としている。

5-2.  「経営者保証ガイドライン」等、個人保証制度の見直しについて

経営者保証ガイドライン等の個人保証制度の見直しについての認知度についてみていく。「よく知っている」と回答した企業は12社(9.7%)で、「ある程度知っている」は71社(57.3%)、「知らない」は38社(30.6%)となっており、「ある程度知っている」企業も含め、この制度見直しについて知っている割合は約7割であった。また、「経営者保証ガイドライン」、個人保証制度の見直しについて取引先金融機関に具体的に何らかの行動をしたかどうかの設問に対して、「行動した」と回答した企業はわずか16社(12.9%)であった。この制度見直しについて知ってはいるものの、ほとんどの企業が行動に移せていない現状である。

さらに、「行動した」企業の結果をみてみると、「経営者保証を条件なしではずすことができた」と回答したのが6社(37.5%)、「停止条件付き保証契約や金利引き上げなど条件付きではずすことができた」が2社(12.5%)、「経営者保証をはずすことはできなかった」が5社(31.3%)、その他が3社(18.7%)であった。「行動した」企業の半数が経営者保証をはずすことができており、金融機関に対して何らかのアプローチすることが重要であると考えられる。

前述の設問で経営者保証をはずせた理由(複数回答)としては、「財務状況を正確に把握し、金融機関に適切に情報開示している」が1番多く、8社(100%)であった。次いで、「経理・資産等を法人・個人とで明確に区分・分離している」の7社(87.5%)、「自己資本比率等財務状況が安定している」の4社(50.0%)、「経営指針に基づく計画的な経営実践が評価された」の3社(37.5%)、「会社に保有資産がある」の2社(25.0%)であった。一方、経営者保証をはずせなかった企業で、その理由を聞くことができた企業は5社中4社で、ほとんどがその理由を聞くことができている。

第1号 神奈川同友会景況調査報告(KDレポート)


代表理事談話「雇用維持と廃業が懸念される中小企業向け実質増税に反対します!」を発表しました。

2014年6月6日

代表理事談話

神奈川県中小企業家同友会
代表理事 石渡 裕
代表理事 酒匂雅隆

 

雇用維持と廃業が懸念される

中小企業向け実質増税に反対します!

 

さて、すべての中小企業が消費税の5%から8%への引き上げの対応に追われている最中、中小企業向けの増税策が議論の俎上にのっています。
政府税制調査会や与党税制調査会は、法人税減税の代替財源として以下のことなどを検討しています。
消費税増税に引き続き、外形標準課税等の増税の連続は、経営の意欲を損ない、雇用の維持や廃業が懸念されます。
しかも、増税の理由が、法人税減税の代替財源だと聞くに及び、全く理解ができかねることです。
中小企業憲章の基本原則「経済活力の源泉である中小企業が、その力を思う存分に発揮できるように支援する」にも反することから、以下のように、中小企業への増税に断固反対します。

 

一、法人事業税の外形標準課税適用拡大について

資本金1 億円以下の中小企業も外形標準課税の対象とすると、従業員への給与総額や資本金が新たな課税対象となります。中小企業にとっては地域での雇用維持は難しくなり、負担は増します。外形標準課税適用拡大に反対します。

【解説】外形標準課税
・外形標準課税とは、事業所の床面積や従業員数、資本金等及び付加価値など外観から客観的に判断できる基準を課税標準として税額を算定する課税方式。
・計算方法は、所得割+付加価値割(0.48%)+資本割(0.2%)付加価値割 ⇒ 報酬給与額+純支払利子+純支払貸借料+単年度損益資本割 ⇒ 資本金+資本積立金額
・同友会会員A 社(資本金:2,200 万円、年商:2 億7,000 万円、従業員数(パート含む):26 名)が試算したところ、約70 万円の増税となりました。

 

一、負担能力に応じた税率の否定について

中小企業の法人所得800 万円までの部分に適用されている軽減税率15%を取りやめ、大企業と同じ25.5%に引き上げるのは、負担能力に応じた税率の否定につながり、反対します。

 

一、欠損金の繰り越し控除の縮小について

過去の赤字を翌年度以降の繰越損金にできたが、これに一定の制限を設けることは、中小企業経営の安定化が図れず、地域経済に打撃を与えかねないので、反対します。

 

一、減価償却制度の定率償却方式廃止について

減価償却制度の定率償却方式を廃止することは、設備投資後の早い時期に収める税金を重くすることになり、設備投資の抑制につながることになるので、反対します。

雇用維持と廃業が懸念される

 

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署名用紙

 

法人税率引き下げと外形標準課税導入の影響額シミュレーション表.xls

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雇用維持と廃業が懸念される

 

外形標準課税まんが

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2014年4月25日(金)に第51回定時総会を開催しました。

2014年4月25日(金)に第51回定時総会を開催しました。
全ての議案は満場一致で採択されました。
ここに定時総会の議案書をお知らせ致します。
詳しくは下記にてご確認ください。

51teijisokai_gian.pdf

51teijisokai_gian.gif

 


第50回定時総会を開催しました

2013年4月26日(金)に第50回定時総会を開催しました。

全ての議案は満場一致で採択されました。

ここに定時総会の議案書をお知らせ致します。
詳しくは下記にてご確認ください。

50teijisokai_gian.pdf

50teijisokai_gian.gif

 



 


ホームページをリニューアルしました。

2012年7月11日:神奈川県中小企業家同友会の公式サイトをリニューアルしました。

 


第49回定時総会を開催しました

2012年4月25日(水)に第49回定時総会を開催しました。 全ての議案は満場一致で採択されました。 ここに定時総会の議案書をお知らせ致します。 詳しくは下記にてご確認ください。

第49回定時総会議案書(PDF)