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神奈川県中小企業家同友会
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[報告] 2020年12月 小田原支部例会

テーマ:働かない!?社長の話 ~世界が認める理想の工場とは~
開催日:2020年12月23日(水)
報告者:五光発條株式会社 代表取締役 村井秀敏氏
会場:おだわら市民交流センターUMECO & Zoom(オンライン)
参加者:31名
五光発條株式会社 代表取締役 村井秀敏氏

12月度の小田原支部例会では、五光発條株式会社の村井さんにご報告いただきました。
横浜市を本社に置き、ばね製造を生業としている五光発條は、タイやベトナムにも工場を持ち、その高い技術力から多くの名立たる企業から支持を得ています。

「月曜日の午前中にしか会社に出勤をしない」と笑いながら語る村井さん。しかし会社訪問の際に見たものは、自ら率先して楽しそうに仕事を紹介する社員さんの姿でした。なんとも形容しがたい、創造性溢れる社内の雰囲気、そのクリエイティブな社風づくりの秘訣の一部をユーモラスにお話してくれました。

2020年12月 小田原支部例会

まず興味深かったのが、チェンジ(革新)、クリエイト(創造)、チャレンジ(失敗)、キャッチ(夢、機会、気持ちetc)の行動指針4Cの実践です。中でも目を見張るのがチャレンジ(失敗)の項目です。これは実際に“挑戦”しているかではなく、“失敗”しているかを評価基準に組み込んでおり、会社が失敗を推奨することで社員が失敗を恐れず挑戦しようとする環境を作り出しているそうです。

また社員の主体性を引き出す取り組みとしてお話していただいたのは、最寄りの小学校を自社の工場見学に招待するということでした。最初は渋々な顔をしていた社員さんですが、いざ取り組むとなると、率先して工場内の安全対策をおこなったり、自分たちの仕事を小学生にも興味を持って聞いてもらえるように自ら工夫し始めたりするといいます。

このように遊び心がある村井さんですが、これらは五光発條の『幸・信・繁・恕』という経営理念につながっています。長期ビジョンや中期目標などの年度計画を緻密に立て、会社の描く将来のビジョンを逆算し、それを部門方針から個人の方針へと落とし込むことで個人の成長と会社の成長を結び付けています。そして、そこには何より社員の幸せを願う村井さんの温かい気持ちが込められていると感じました。

2020年12月 小田原支部例会

最後に、村井さんはこれまで頑張ったことはないと笑顔で語りました。それは決して努力をしていないということではなく、その過程にある困難とされるものさえも楽しんでいるだけでした。経営者といえば日々決断を求められ、お客様と社員の板挟みにされストレスを感じることが多いと思っていた自分にとって、どんなことでも夢中に楽しむ遊び心こそが必要だと気付かされた報告でした。

(文責 株式会社小田原鉱石 代表取締役 高橋淳)