川崎支部7月の例会は6月に続き、オンラインシステムZoomを使用して開催致しました。
今月は2名の報告者から、新型コロナウイルス感染症の影響をどのように受け、それに対してどう取り組んでいるのか?
「アフターコロナ・ウイズコロナ」について、どう克服し、乗り越えていくのかをご報告いただきました。
最初の報告者 ㈱久保田酒店 代表取締役 窪田隆太郎さんは、飲食店・法人企業への酒類販売をメインに行っている為、コロナの影響を早い段階から受けました。
まずは、横浜中華街の休業で2月の業績は20%減。3月になると、都内~神奈川県で自粛休業が始まり業績は30%減。
4月・5月は緊急事態宣言が発令され得意先の8割が休業、業績は80~85%減と大きくダメージを受けました。
緊急事態宣言解除後の6月は前年度比65%減まで回復したものの、この先も宴会や大箱の居酒屋ではコロナ禍の集客は難しく、また忘年会の予約も見込めないという大変厳しい状況は当面続くと思われます。
しかし、売上前年比80%まで回復を見込もうと、今までとは違う方法で売り上げを伸ばす戦略を考えました。
外食での飲酒は減少傾向にある一方、家飲みする方が増加し、缶チューハイ・第三のビー ル・ハイボール・リキュール等の売上が好調になりました。
今までよりもテイクアウト酒類の充実、おつまみ珍味の販売、そして一般消費者へのアプローチを精力的に始めました。
今後は、近隣1.5km以内の一般家庭への配送強化。また新たな取り組みとして賞味期限間近の在庫一掃としてガレッジセールを行い、自社の業務用商品を一般消費者の方へ販売 商品説明、特徴を伝える場を設けました。
思った以上に興味をもって頂き、今後に繋がる事業の多角化のきっかけとなりました。今後は店舗を改装し、立ち飲みコーナー設置、久保田酒店オリジナル商品、お酒に合うつまみ レシピ等を取り揃え、酒類に特化した店舗運営、店舗利益額向上を展開していく予定です。
更に川崎駅周辺へ店舗出店も考えており、酒類販売を通して、地域、お客様のお役に立つ取組をしていきます。
今までに経験したことのない事が起こり、様々な課題解決の中で、窪田さんは社員と意見交換し、知恵を出し合いました。
そして前向きに考える事の大切さ、どんなときでも、社員一丸となって進んでいけば道は開ける・・・ピンチをチャンスに変える!逃げない!ごまかさない!自分たちの大きな力になっていると話してくれました。
新たな時代の“新たな久保田酒店”。更にお酒の魅力を発信し、しかし提供しているものはお酒だけでない、素敵なお店へと変化しています。
是非とも、久保田酒店にお酒を買いに、そして飲みに行ける日を楽しみにしています。
また、窪田さんのようにどんなときもひとりで悩まず、いつでも社員と共に歩む企業にしていきたいと思いました。
人目の報告者 ㈲マトリックス 宮本相浩さんは、川崎駅周辺で『川崎ホテルパーク』を営んでおります。
川崎駅から徒歩8分程度、稲毛神社の鎮守の森に抱かれた閑静で緑豊かな環境にあり、京急川崎駅から羽田空港まで最短で15分という好立地でありながら、他のホテルとは違った独自の特徴を生かした経営をしています。
川崎ホテルパークの最大の強みは、川崎エリアで唯一無二の大型車が停められる駐車場です。普通車であれば30台近く駐車可能、駐車場は事前予約が可能、車で京浜工業地帯に仕事に来る出張滞在の男性客の比率が非常に高いのです。
そんなガテン系の男性客に喜んで頂けるサービス、それはなんと喫煙室70%という喫煙者フレンドリー施設。
そして受付には、また来たくなる!会いたくなる!20代の接客能力の高い女子をアサイン。これでガテン系リピーターの心を鷲掴み、ネットのクチコミも高評価という人気のホテルです。
そんな川崎ホテルパークですが、首都圏のオリンピックを見据えたホテルの開業ラッシュで供給過剰となり、また川崎エリアでは2019年11月にドーミーイン他のオープンで、稼働率も単価も下降基調とコロナ前から売上は減少傾向でした。
そして新型コロナウイルスが発生、コロナでも影響を受けることになります。1月~2月から10~15%減少、3月~4月の最繁忙期に感染症が直撃し、特に4月は売上が前年度比50%以下に減少、5月に一度28%減まで戻したものの、6月にはまた42%減とダメージを受けています。
そんな中、宮本さんは新たな取り組みを始めました。
感染症拡大後、コロナを逆手にとり、海外からの日本の帰国者滞在受け入れプランを販売、14日間の隔離が必要な方の受け入れです。
市場価格より若干高単価で14泊して頂くという、コロナ時代の新プランです。
リスクが高そうな取り組みに思えますが、陰性の方のみの受け入れなので大きな心配ないとのことでした。
また、テレワーク・デイユースのプランの販売をしました。一定の需要はあるものの、利益率が絶望的に低いため現在は注力していないとのことです。
今後は、商工会議所の小規模事業者持続化給付金の交付を受けGoogleに広告を出稿したいと考えています。
Google Hotel Adsの仕組みを研究し販路を拡げ、川崎ホテルパークの『ウリ』を『見つけてもらいやすい形』で拡散する必要性があると話してくださいました。
一般論や固定観念にとらわれることなく時代背景によって様々のことに取り組み、そしてまた上手くいかないことは修正して進んでいく宮本さんの姿勢に大きく刺激を受けました。
宮本さんのように、柔軟な考えとチャレンジで前進していくことが必要だと思いました。
(文責 有限会社トワダ 阿部早苗)