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神奈川県中小企業家同友会
10:00〜18:00(月〜金)

[報告] 2020年8月 横浜北支部 例会

テーマ:仕事は好きだが働くことが嫌い・・・なので起業しました
開催日:2020年8月28日(金)
報告者:株式会社共栄設機 代表取締役 外田雅樹氏
会場:加瀬ビル88(会議室1) &Zoom(オンライン)
参加者:36名
株式会社共栄設機 代表取締役 外田雅樹氏

外田氏は、1958年静岡県三島市の生まれ。学校卒業後アルバイトをくり返しながら富士市のプレス工場に就職しプレス加工を覚え、後の再就職先である設計会社でプレス設計を習得後、1987年に独立されました。

サラリーマン時代は、規則正しく出社することが苦手で、遅刻や欠勤などは当たり前でしたが、仕事はきちんとこなしていたようです。
10日間でやる仕事の前半は休んでも納期間近の3、4日間は寝る間も惜しんで納期に間に合わせました。そして、次の納期ギリギリまで仕事を休む。
ある意味、エネルギーを集中させて一気にまとめ上げるのは、効率的な働き方のように感じますが、経営者目線で見たら歯がゆい思いを抱くのだと思います。

仕事は出来るが周囲に良い影響を与えない社員。
仕事は出来ないが会社の雰囲気を良くしてくれる社員。
人事は経営者の頭を悩ませる1つではないでしょうか。

ついには、会社を辞職させられることになり独立、独立してもあまり仕事をする気が無かったが、サラリーマン時代の取引先から声が掛かり、渋々、仕事に取り掛かるようになりました。
ここでも、自分が働かなくても儲かる方法は無いか?他の人を働かせ、自分は働かなくてもいいように社員を雇いました。

プレス設計という仕事は好きだが、自分で働くとこが嫌い。一見矛盾しているようですが、会社を維持し発展させる責任が根本にあったのではないでしょうか。

2020年8月 横浜北支部 例会

社員には、日本一の設計会社を目指し自分の家を持とう。
そう言いながら仕事に取組んでいましたが、設計業から製造業に会社の業務内容が変化していき、持ち家を持てるようになると、社員が辞めてしましました。
家を持つ事だけが目的となり社員の事を考える経営が出来ていない事に気付き、2002年静岡同友会に入会し、全国大会などに積極的に参加しました。
すると特許を取得している高度な技術を基に韓国、タイ、中国工場を立ち上げるほど順調に事業拡大していき、2013年平塚事業所開設を機に神奈川同友会に入会しました。

そんな折、今回のコロナ禍。県外の取引先工場に行き、シミュレーションを行う製品であったが、社員の健康を考え、県外移動が出来ないので仕事をお受けすることは出来ません。と社長一人の判断で、取引先に通達してしまったのです。
取引先は慌てて他の会社を探し対応したようです。
もちろんそれ以降、共栄設機に発注されることはありませんでした。
社員に相談すると取引先工場のある県内に留まるなど他に対応策があったと気付いたが後の祭りです。

コロナで仕事を失ったのではなく、経営者の間違った判断で仕事を失ってしまった。
取り返しのつかないことをしてしまった。と後悔しているが、立ち止まっている訳ではありません。
今年開設した相模原工場をはじめ新規受注に向け、動き続けてます。
2007年から毎月社内報を発行するなど社員・お客様・商品、サービスのバランスを考えながら新たな歴史を作り続けることと思います。

2020年8月 横浜北支部 例会

歯のあるひふみん(将棋棋士 加藤一二三氏)こと外田氏から笑顔が消えることは無いのでしょう。

(文責:小松精機㈱ 代表取締役 小松秀靖)