参加者の皆様は、「利益はわかるけど、笑顔って何だろう?」と疑問を持ったはずです。
会社の大きな目的は利益を上げることですが、その存在意義は果たして「営利」だけなのでしょうか。
星野さんは多忙を極める証券会社で勤めた後、父の会社に転職し、薫陶を受けながら忙しくも楽しい時代を過ごされました。そのときの教えは今でも星野さんの胸に刻まれています。
その後、父が引退して会社がだんだんブラック化していくなかで、現職となる障がい者支援と出会いました。
星野さんは、障がい者の方と接するうちに、
「怒っても心を閉ざすだけ」
「褒められると成長する」
「相手に自分の主張を伝えようと長く(熱く)話しても誤解される」
「社長の言動・顔色で社内の雰囲気が変わる」
「様々な個性を受け入れると居場所が出来る、働きやすい」
ということに気づかれました。
人はそれぞれ違い,異なる個性を持っています。星野さんの気づきは,「障がい者だから」ではなく,全ての人に当てはまるのではないでしょうか。
星野さんの報告からは,人を生かすも殺すもトップ次第,社風次第であること。会社が人を知ること。社風を確立し,全ての従業員に理解してもらい,労使ともに組織を作り上げていくことが重要だと改めて気づかされました。
討論テーマは「あなたの(自社の)笑顔と利益のつくり方は何ですか?」。
参加者の数だけ答えがあるであろうテーマであり,活発な意見交換がなされました。
人を育てることの大切さ,難しさ。利益を生み出すことが出来るか。経営者は緊張と苦労が絶えませんが,星野さんの気づきは会社と人とを育てるうえで重要なポイントであり,自分はそれが出来ているのか,もう一度地に足をつけて考え直す必要があると思わされました。会社と人とがともに成長できるきっかけをいただいた例会でした。
星野さん,どうもありがとうございました。
(文責 弁護士法人小嶋総合法律事務所 弁護士 金子晋也)