今回は、第32回かながわ経営カンファレンスのテーマ「『新たな時代への挑戦!』~デジタルトランスフォーメーションが社会を変える~」を見据え、導入的な意味合いを込めてITの最前線で活躍されている小林さんにご報告頂きました。
小林さんは、多くの参加者が抱いていたであろう「DXってなんだろう?」という疑問を、「ITを駆使して従来のやり方デジタルに変えましょう!」という答えで一瞬にして解消しました。
続けて、Amazonを例に挙げ、①どこにいても何でも物が買えてしまうという買い物=行動をDX、②実店舗では知識として店員が蓄積していた情報をAIが取って代わって蓄積し、お勧め商品表示等として表示する知識をDX、③CDや書籍、DVDといったモノをコンテンツ配信するモノをDX、という3つのDXにより具体的なイメージを持たせてくれました。
これからの企業に求められているのは、3つのDXのうちのどれかをデジタル化し、自社の取り扱い製品をITと連携させることで新たな市場の開拓とサービスの提供をしていくことであり、それには、ゼロから生み出す力ではなく掛け合わせる柔軟な創造力が不可欠だということでした。
そのために、小林さんの会社では、ピラミッド型の会社組織(役職制)を廃止し、フラットなプロジェクト単位の組織作りを行いました。
これにより、従来であれば中間管理職の決裁が下りずに日の目を見ることがなかったような柔軟な発想が共有されるようになったそうです。
「あなたの会社がITとくっついたら何が出来ますか?」というテーマでグループ討論を行いましたが、自社のサービスがDXできるのか半信半疑で出席した参加者も、討論の過程でDXできる項目がたくさんあることに気づき、大いに盛り上がっていました。
いまから約6600万年前に恐竜が絶滅し、我々の祖先である哺乳類が生き残ったのは、最も強かったわけでも賢かったわけでもなく、環境の変化に対応できたからだと言われています(恐竜の絶滅時期も含めて諸説ありますが)。
デジタルやITの分野に限らず、変化や変革を受け止めて柔軟に対応できるようにする意識を日頃から持たなければならないと気付かされた例会でした。
(文責:湘南中央法律事務所 代表弁護士 長田 誠)