年2回のブロック例会は前回例会でリクエストの多かった「事業承継」と「社員教育」をテーマに県内から報告者を選考。
丁度昨年9月に30年会員の総合環境分析さんが事業承継されたという事で報告をお願いしました。
今回は残念ながら緊急事態宣言下でZOOMでの開催となりましたが、親子揃っての報告という珍しいスタイルになりました。
石渡会長のような大先輩から創業の想いをお聴きする機会は中々ありません。
サマースクールで聞いた水俣病のお話と、自由研究テーマでイタイイタイ病を取り上げた事で「環境に関わる仕事をしたい」と強く思ったそうです。社会人になってからやりたい事と現実とのギャップから創業に至った経緯は、今穏やかな会長からは想像がつかない熱い想いがあっての事です。
そして同友会全国総会参加中に起きた銀行融資の突然の停止。いわゆる貸し剥がしにあい、給与の遅配を覚悟した時、社員から資金提供の申し出と社債発行の提案があるのです。
給与が払えない会社に自らの資金を提供する―――にわかには信じ難いお話ですが、経営計画策定と決算公開をしてきた事で、会社を信じ切れる社員が自分の会社を護るために申し出てくれたなんて泣ける話じゃないですか!(当のご本人は淡々とお話しされてましたが)
いよいよ次の世代へバトンタッチを考えた時、石渡会長は5年という時間をかけて壮社長への承継環境を作ってきました。
壮社長も承継までの間、同友会で沢山の学びと仲間と経験を得てきました。特に関東甲信越青年経営者フォーラムの実行委員長を務めたのは大きかったと言います。その学びを社内改革という形で実践する。その実行力が壮社長の強みなのだと感じました。
当然反発もありました。凄いのは理解を得るまで説明を止めなかった事、徹底して社員と向き合った事です。これこそ同友会での学びなのでしょう。この時点では経営指針受講前の筈ですが、既に労使見解を理解し実践していると言ってもいいでしょう。
そんな中で起きた4つの大問題。
ここでの内容記載は伏せておきます。(参加された方の特権ですので)
壮社長が報告中に見せた涙は、本当に苦しい状況を乗り越えてきたのだと感じました。
そして経営指針成文化セミナーを受講し2020年9月、自らが作った経営理念を掲げ新しい(株)総合環境分析をスタートさせたのです。
壮社長は同友会での学びと経験があったから、少しずつ会社を引き継ぐ覚悟を固められたと言われておりました。
まさに会社経営と同友会運動は不離一体なのだと実感しました。
最後のメッセージで承継まだ終わりじゃない、と例会参加した社員への発信。
本当にその通りだと思います。会社が動く原動力は社員の皆様ですので。
将来に渡って「社員が長く働ける環境をつくりたい」からこそ社内承継を推進する。
壮社長の強い決意宣言となりました。
とても大きな学びと感動の例会となりました。ありがとうございました。
(文責 キソー工業株式会社 代表取締役 鈴木幹男)