たま田園支部7月例会は、㈱サンヨーシステム2代目社長、鈴木圭祐氏にご報告いただきました。ご本人曰く「少人数で板倉会長の想い出を語るつもりだった」のが54名の参加者に。感動多き例会となりました。
幹部社員研修一期生、経営指針作成部会を受講し事業承継されたのは、鈴木社長が初めての事例です。板倉会長との出会い、ともに困難を乗り越え会社が発展、鈴木氏の事業承継と板倉氏との別れ。お二人の物語に参加者は深く聴き入りました。
鈴木社長は自社に応募した時、「仕事とはお金をもらうためにやり遂げること、楽しさは考えていない」と捉えていたそうです。ところが面接で板倉氏は仕事のスキル等は聞かず、「良い会社を作りたい」熱い想いをひたすら語られました。「言っていることはわからないけど、これだけ熱く語るのはきっと良い会社なんだろう」という安心感が、入社する決め手になったそうです。
入社後すぐ不正が発覚し、関わっていたベテランが皆退職。会社存続の危機を迎えました。しかし「こんな良い会社がなくなるのは忍びない。僕らなんでもやりますから残しましょうよ」と鈴木氏を中心に、残った一年目の社員が団結。そして板倉会長は継続を決断、今の発展に至ったようです。鈴木社長は会社の理念を何年かかけ、板倉会長とともに会社に浸透させたのですが、「テレワーク導入一つ考えるにも、指針に反していないか、照らし合わせる」というぶれない姿勢が印象的でした。
そんな鈴木氏がコロナ禍、一度だけ悩み、板倉会長に相談されたことがありました。その時返ってきた驚きの言葉は「お前は全部正しい。これだけがんばっているんだから」。
この時、鈴木氏は入社時の安心感を思い出されたそうです。「社員を信じ会社を存続してくれたこと」「一社会人として成長させてもらったこと」「多くの素晴らしい出会いもらったこと」と、鈴木社長から故板倉氏への感謝の言葉が続きました。でも「お前は正しい」と言い切れる後継者に出会うことができ、成長してくれたことを、故板倉会長も感謝されていたでしょう。二人の深い信頼関係に、例会参加者全員が心を打たれたと思います。人、理念等何かを本当に信じられることは、自分がぶれない強さを持てるようになるのだと、現実感を伴った学びを得ることができました。
(文責 ㈱フェアネス・コーポレーション 代表取締役 金子厚子)