今回は、「社員56名を守り抜け!崖っぷちでのムーンショット~2ヶ月の完全休業から、前年比170%の新規集客を実現できた本当の理由~」というテーマで、コロナ渦において苦戦する企業に勇気を与えてくれる内容のご報告を松本さんにして頂きました。
比較的景気や社会の変化により影響を受けやすいレジャー産業ですが、ダイビングスクールを経営する(株)テクニカの代表に松本さんが就任したのは2013年11月、リーマンショックの影響が残る頃でした。就任後は経営指針作成部会45部会を受講し、社内改革に取り組んで参りましたが、2011年3月11日の東日本大震災により事業に大きな打撃を受けました。
それを全社団結して乗り切り、順調に売上を伸ばしてきていたところ、2020年4月7日に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発出され、2ヶ月間の休業を余儀なくされました。2ヶ月間の収入は0、支出が6000万円。
そのような状況で、「攻めの休業」とポジティブに捉え、社内報の発行や営業再開後の「復活祭」の準備などにより社員のモチベーションを維持し、休業明けからは最大前年比170%の売上を記録することができた根幹には、「楽しいことに人は集まる」という自信と社員への信頼、そして危機管理能力がありました。
松本さんの会社の圧倒的な強みは、質の良いサービスを、そのサービスを求めている人に向けて発信する仕組みができていること。サービスの品質をダイビング雑誌の大賞を獲得することにより可視化(権威付)したり、サービスを広告や、インスタグラム、YouTuberとのコラボ企画で発信する際も、漠然と発信するのではなく、Googleの解析ツールなどを利用することにより、発信する先を市場の変化に応じて即座に変えています(砂漠に出店しても来客はない、出店するなら一等地!)。
松本さんは、「逆境」という言葉は使いたくないとおっしゃっていました。Withコロナの時代をチャンスと捉え、週末に集中していた予約を平日に分散する、休講中の大学生を呼び込むなどして売上増につなげるという対応ができたのは、自己のサービスの価値を知り、自信を持ち、必要されていることを認識し、必要としているところに届けられたからだと思います。
昨今、AIの導入により無くなる仕事について雑紙等で特集されていますが、今一度自己の事業について社員と一緒に自信を新たにすることと、必要とされているところに届けられるよう変化に対応する能力を身につける必要を感じた例会でした。
(文責 湘南中央法律事務所 長田誠)