「失敗から学ぶ中小企業経営」という切り口で、伊藤氏と佐々布氏をパネラー役とし、金原氏をファシリテーターとして、例会報告が行われました。
伊藤氏の一番の失敗は、「自分の得意分野ではない自然科学」で起業したことだそうです。
伊藤氏が、失敗から学び、後輩に伝えたいこととして、事業がある程度進み、投資が嵩み、時間も、人も投入し、なんとなく成功しそうな「気配」を漂わせている場合、撤退が難しくズルズル行ってしまうことがある。そんな時こそ、絞り込む勇気、撤退する勇気が必要である。さらに、今後、気を付けることとして、あまり過信しないこと。「これはいける」、「素晴らしく評価が高い」は疑ってかかれ。ある程度マーケットが理解できる商売にしぼる。
佐々布氏の失敗からの学びとして、駅貼りポスターの広告の際、費用対効果が悪く、個人店が大手広告会社と仕事するときは、こちらは、かなりの予算を割いていると思っても、相手からしたら僅かの予算に過ぎないというミスマッチが起きやすいので、気を付けた方が良い。伊藤氏から、事業を成功させるコツとして、「長期的に継続させ、ライフスパンの長い事業を構築させたいなら、これだと思うアイデアを、誰もやらない高くて深いレベルで実現させること。認知に成功すれば5年はオンリーワンになれる。その後15年は信用で利益を出せる。その際は、顧客のニーズを自分なりに徹底的に検証すること。
違和感を持つものはやらないこと。マーケットが大きいものはやらない。なぜなら儲かるものは、資本がある企業があっという間に参入する為。なるべく人の手がかかる面倒くさい、お金を持っている会社は手を出さないレベルの仕事を選ぶこと。
そこそこの成功でいいなら、成功し始めている成長初期段階の他社のビジネスモデルを徹底的にパクること。そしてしばらくは、投資はなるべく少なくして諦めずに継続し続けること。方法や戦術が間違っていると感じたら、速やかにマイナーチェンジをし続けること。走りながら考えて、考えることを止めないこと。社員を本気で巻き込むこと。
リスクテイクは身の丈にあったリスクに抑えること。とのアドバイスを頂きました。
今回の例会報告を伺い、改めて、成功の反対は、何もしないこと。実践しなければ、失敗すらできない。と強く感じました。「何もしないことが、一番大きなリスクになる」と申します。常に考えて、考え抜いて、そこまでやるかと言って頂けるサービスを、常に提供できるように実践してまいります。
(文責 株式会社伊藤商会 代表取締役 亀卦川基喜)