泉社長は、生まれ育った町である青葉台で、ダイニングバー「Valencia」を経営されています。
大学時代からバーテンダーとして働き、飲食の世界にのめり込んでいった泉社長でしたが、お母様の教えもあり、大学卒業後は保険会社に就職し、持ち前の体力とコミュニケーション能力で営業マンとして活躍していました。
社会人3年目のころ、地元である青葉台にて仲間が「Valencia」をオープンするので、店長をやってほしいという誘いを受け、飲食の世界に戻ってくることとなりました。飲食経験と営業力を遺憾なく発揮し、営業は順調でした。
その後、自分のお店を持ちたいという夢をかなえるため、独立も考えましたが、オーナーとの話し合いを経て、「Valencia」を引き継ぐ形で、社長就任することになりました。
新社長として、前途洋々の泉社長の前に立ちはだかったのが、コロナウィルスでした。緊急事態宣言などが出され、通常営業もままならないなか、弁当事業なども始めましたが、赤字が続きました。
お店を、社員の雇用を守るため、社員の理解・協力をもとに、緊急事態宣言下での通常営業開始を決断しました。緊急事態宣言下での営業ということで、周囲から匿名の通報がなされ、一日に何回も警察が来ることもあり、心身ともにすり減らす毎日でした。
さらには、独立以来一緒に働いてきてくれていた料理人の失踪、新規事業で始めようとしていたフランチャイズ事業が先方都合で頓挫するなど、苦難は続きました。
心が折れてもおかしくないような不測の事態の連続の中でも、泉社長は、自ら先頭に立って戦っていく、一緒に戦って一緒に辛い思いをしなければ社員の信頼は得られないという気持ち、そして飲食業への「愛」と「夢」をもって、前進を続けます。そんな泉社長ですから、人(社員・お客さん)が集まってくるとともに、縁もつながり、2店舗目のオープンの話、そのための融資の話が続々と決まっていくことになります。
どのような状況でも、前を向き、先頭に立って走っていくという姿勢の重要性に気づかされるとともに、新しいことにチャレンジしたくなるエネルギーを貰える良い例会となりました。
(文責:港の見える法律人事務所 弁護士 藤江勇佑)