今回は神奈川県のほぼ中央に位置し、県内4位の工業事業所数の綾瀬市にある㈱川崎製作所と旭工業㈲に伺い、約10名が2班に分かれ交互に各々の工場見学をさせて頂きました。
㈱川崎製作所は40年以上の歴史があり、精密板金から精度を要する製缶や簡易組立まで行っており、板金加工業としては珍しい多種多様な製品に対応する生産体制に驚きました。以前は1社に依存し、売上の約80%を占めていましたが、リスク分散のためにリーマンショック以降は様々な業種との取引に方針転換したとのことでした。
また、ほとんどが大手企業からの直接受注とのことで、川崎社長の営業力と受注を絶やさぬ技術力の高いレベルでの維持には、2006年にISO9001を取得したものの、2015年には返上して、ノウハウは自社に残し、外部に掛かるコストはカットしてでも品質を維持できる独自の品質管理マネジメントが関係しているようです。
2021年には第三工場を増設され、外国人雇用や障害者雇用にも取り組んでいきたいとのことで川崎社長の広がりゆく思いを感じることが出来た見学でした。
旭工業㈲は加工業でも珍しい、カーボン加工の専門会社として創業60年以上の企業です。金属加工と加工機械は同じですが、乾式(油を使わない)加工や集塵ダクトが工場内に多く設置されていたのがとても特徴的でした。機械加工を担当している女性社員が複数名いましたが、今後の目標として、社員の半数女性を目指し積極的に女性採用に取組まれているようです。
一般的には釣竿やゴルフのシャフトなどで使用されるカーボンですが、そのイメージとは異なり、大きな鉛筆の芯のような材料を加工していました。熱に強く、通電性が良いカーボンは産業用部品、装置に使用されるようですが、その技術を生かし、数年前から調理器具Sumiシリーズを販売してふるさと納税返礼品にも採用されています。
いまだにバリバリ働く会長(ご尊父)と工場を取りまとめる常務工場長(弟)との連携は、同友会の学びが具現化された証ではないでしょうか。
(文責:小松精機㈱ 小松秀靖)