毎年12月の県南支部例会では経営指針のベースとなる「労使見解」をテーマとしております。労使見解を学ぶ中に「社員を最も信頼できるパートナーと考える」とあります。そこで今回は「オレがオレがのワンマン経営から社員を最も信頼できるパートナーとなることに気づいた経営者の気づきと変化」というテーマでご報告いただきました。
約20年前に当時のオーナーから暖簾分けを受け社長となりました。事業内容は主に催事や式典などのイベント機材の貸し出し及び設営になります。2020年コロナが流行し、世の中のすべてのイベントは中止となり、結果前年比98%も売り上げが減る月もあった。何とかしてでも社員を守らなければならない責任感を感じながら、商工会の仲間からの仕事の支援や雇用調整助成金の助けもあり何とか食いつないでいた。しかしこの先の不安が消えるものではなかった。そこで一縷の望みをかけ経営指針作成部会を翌年に受講した。その中で労使見解を学び、その一節ではあるが、社員を信頼できるパートナーとして考えることの大切さを学び、また会社の継続発展と社員の幸福を追求するためにも利益確保の重要性にも気づいた。
ただし受講当時は代表でありながらも株の半数以上をオーナーが持つ言わば雇われ社長状態でありました。またそのオーナーに支払うロイヤリティーの割合が売り上げベースでの算出により利益額に関係ないことから自身の収入を抑えても赤字決算になることもあった。また大きな黒字もないので自己資産が増えにくい状態であった。
このような状態から社員や商材にも投資ができない状態が長年続いていた。そこで指針受講を機に会社の継続発展と社員の幸福を追求するためにも中長期のビジョンを明確にし、さらに自信がオーナーとなることを決意しすべての株を取得した。
その後業績は向上し、早々に職場の環境改善に着手することもできた。また、採用と教育にも投資し人材の増強を進めている。
私の主観になりますが、労使見解を学ぶことで社員とともに会社の発展を望むことができたことが嶋田社長にとっての最大の成果物ではないかと思いました。今後の展望の中にダイバシティ経営の取り組みを掲げておりました。
すでに経営労働・社員教育・共同求人の委員会に係ることから、これで四位一体経営のコンプリートとなり更なる発展が楽しみです。
(文責:㈱山装 代表取締役 山田進弘)