横浜中央支部2月例会では、ワインビストロ路地裏のオーナーソムリエであり、株式会社プライベート・サーヴィスの代表取締役・佐々布拡昭さんが報告者として登壇しました。佐々布さんは「私はなぜ、この店を諦めなかったのか-横浜の路地裏で誓った経営者としての覚悟と10年ビジョン-」と題し、自身の経営哲学、ビジョンについて熱く語りました。
佐々布さんの話は、高校時代にパティシエを志すも、教師の反対にあい大学進学を選択したことから始まりました。大学3年生で就職活動を始めましたが、面接で「将来はケーキ屋さんになりたい」と答え続けたため、なかなか就職が決まらなかったとのこと。しかし、それを聞いた方のアドバイスにより、飲食業界へ飛び込む決意を固めます。当時は四大卒で飲食業界に入る人は珍しかったといいますから、よほどの覚悟だったと思われます。
その後、数々の出会いを繰り返し、2019年に創業しますが1年も経たないうちに新型コロナウイルスの流行に直面。経営難に陥りました。どうにかコロナ融資を利用して事業を続けることができたものの、現状を打破するために、佐々木さんは活発な活動を始めます。そのひとつが、経営指針の受講です。経営指針部会では、業種は違えど同じ境遇にある不思議な仲間たちとの出会いに刺激を受け、指針の作成だけでなく、事業再構築への思考を深めることになります。
数々の困難に遭いながらも、ここまでやってこられたのは、指針の同期の助けがあると、佐々布さんは熱く語っていました。飲食業界は、現在もなお厳しい状況が続きます。店舗の商品開発、集客、内装、清潔さの維持など、多くの課題に直面しながらも、当たり前のことを当たり前に行うという、基本に忠実な経営を佐々布さんは心がけているそうです。
この度の例会での発表は、経営状態も含めて全てを隠さずに赤裸々に話すという、佐々布さんの強い決意と信念が感じられるものでした。彼の10年ビジョンに対する明確な覚悟と、経営者としての自覚を新たにした瞬間であり、参加者にとっても非常に刺激的で学びの多い時間となりました。
(文責:キャリアの銀行 戸田敏治)