湘南支部2月例会は、(株)総合環境分析の石渡壮社長に「意外と苦労している承継社長の経営実践」というテーマで発表して頂きました。
例会に向けた打ち合わせの中で、石渡社長から事業承継だけでなく経営指針についての話と指針を受講してからのご自身と会社の成長の話をしたいとの強い要望もあり、前半は事業承継迄の流れから承継後の苦難・苦労、後半はそれを乗り越えてからの自信と会社の成長についてのお話です。
言わずもがな、前社長(現会長)は神奈川同友会の代表理事をなさっていたミスター同友会と言っても過言ではない石渡裕氏です。
事業承継に向けて、承継前に現社長にご自分の思いを詰めた経営指針を作成させ、金融機関との交渉にも同席させる等、時間をかけて後継者を育て、順調・盤石に事業承継が進んだように見えますが、渡す側の創業社長と渡される側の承継社長の間には株式譲渡の問題を筆頭にかなりの考え方の違いがあったと思われました。
この点に関しては、これから承継問題に直面する経営者は専門家を交えてしっかりと問題が起きないようにお互いが理解・納得することが本当に大切になると思いました。
承継後に現社長が直面した問題は3名の古参社員のパワハラ、会社の存続さえ危ぶみ心配させる、親族である役員の横領問題と想像を絶する大変なものだったようです。
問題のある役員・社員に会社を辞めてもらう精神的な苦痛は計るべくもありません。
これらを解決すると同時に、売り上げを超える借入金や現社長から見れば高すぎる借入金金利の問題を解決するのに最も役立ったのが《経営指針書》を金融機関に渡すことで絶大な信頼を得ていたことでした。
現在では、こうした問題を全て解決改善して売上/経常利益計画を上方修正するほどに事業を伸ばしています。
そして、同友会で知り合った同業他社の仲間たちとコラボすることで、他県に支社を広げ国の助成金も活用しながら新しい事業にチャレンジしています。
どこまで成長していくのだろうと、社員のみならず私達同友会会員も元気をもらえる素晴らしい報告を頂きました。
文面に書ききれない内容の濃い報告を頂きました。
(文責:株式会社カズ・マリンプロダクツ 岩根一己)