[報告] 2020年8月 川崎支部 例会

川崎支部８月例会はリアル&Zoom併用のハイブリットで開催致しました。
今回は、弁護士法人ASK　代表弁護士 伊藤論さんにご報告頂きました。
伊藤さんは、司法試験合格後、福井で1年生活、その後東京で新人弁護士時代を得て、川崎でイソ弁となりました。
そして、市役所通り法律事務所を独立開業。弁護士の竹内さんと二人で開業、事務員1人と計3人でスタートしました。
二人で開業した理由としては、当初「失敗したくない！」と思いが大きかったこと、また独善的な判断をしないようにとの思いがありました。

伊藤さんは、いくつかのターニングポイントで変化をおこし進んできました。
まず初めのターニングポイントは、法人化したことです。
最初に、欠点を改革してもらいたいとの思いで女性弁護士を加入しました。
その女性弁護士に言われたことは「雰囲気が冷たい」「スケジュール確認なんて会議じゃない！」「笑顔が少ない」「ざっくばらんに会話ができない」等、本人が気づいていない耳が痛いことを指摘されました。
新人弁護士時代、なにを考えているかわからない大ボス、そして上司の顔色を伺う中間管理職という圧倒的風通しの悪い環境が嫌だと思っていたにも関わらず、同じような形となっていたのです。

女性弁護士の指摘を受け、数々のコミュニケーション改革を行いました。とにかく「風通しのよさをつくる」が目的です。

• 改革1：会議での意見交換を活性化→ファシリテーター講習の受講、会議の事前準備、声を出させることの工夫
• 改革2：チェックインインチェックアウトカードの導入→声を出す、会議で発言しやすくなるという利点はあったものの、時間がかかって定着せず
• 改革3：「一会議一善」→毎回改善アイデアを出しあっていたが、アイデアが尽きて、定着せず
• 改革4：クレームの共有→心理的安全感がないと実践できない外部研修に行ったりしたが、なかなか定着せず
• 改革5：パーテーションの変更→会議室の防音、そして個室を撤廃。個室を撤廃したことで質問がしやすくなり、意見交換・雑談が生まれるようになりみんなの笑顔が明るくなりました。大成功！！！
• 改革6：情報共有ツールの導入→Slack・Chatwork・Evernote・Googleドライブ等。用途によって使い分けをしています。こうした数々の工夫を凝らし、コミュニケーション改革に取り組んでいます

そして二つ目のターニングポイントは「経営指針作成部会受講」です。
同友会入会10年以上たってからのことでした。
自分の思いの確認ができたこと、宿題によって強制的にみんなで意見を出し合えたこと、そして何より感謝を伝える場が持てました。

「みんなが主役の改革」として「チーム導入性」「業務改善チーム」「就業規則チーム」「営業戦略チーム」を作成。問題点をだし、改善していってもらうことで皆の居場所の提供に一役買うことになりました。
また、「振り返りノート」を取り入れました。これは、交換日記みたいなようなもので、業務の改善に役立ちました。こちらも大成功！司会を持ち回り制にしたり、評価制度にしたことで言いにくいことがいえる場を作ることができました。

そして三つ目ターニングポイント、それはコロナ禍の来襲です。
コロナの影響としては、裁判所の機能停止です。裁判所が止まると弁護士の息の根も止まる大きな影響です。
また、打ち合わせの実施困難や新規相談の減少等、様々なところに影響を受けました。より大きな問題は、社員の孤立化、メンタル問題でした。
スタッフの結束感が問題になり始めたのが「朝会」です。
明けない夜はない！夜明けに向けた朝会。
気付き、悩みについて話し合い、一体感がうまれとてもいい会になっているようです。

最後に伊藤さんは、これからの理想に向けてお話くださいました。
「人生の道を照らしてフェアで明るい社会を実現し心おどる愉快な未来を創造します」心おどる愉快な未来の創造・・・それはメンバーに与えるもの、きちんと自立し、自分の幸せ・自分の人生それを後押ししたいと話してくれました。「変化を恐れず、前に進みたい」最後にこう結んだ伊藤さん。これからのＡＳＫが益々楽しみです。

伊藤さんは多くことにチャレンジし、成功と失敗を繰り返し進んできました。
ASKの「人の離れない組織づくり」は、全社員一丸戦略！多くの工夫と思いを社員みんなで育くんでいく、そんな姿が印象的な報告でした。

（文責：有限会社トワダ　阿部早苗）