まずは今回、ご報告いただきました伊藤さんのご紹介です。
1965年2月生まれ57才。大学卒業後、銀行に就職され 30歳直前の1995年に障害を持ったご長男を授かります。1999年35才直前に日本の格付会社へ転職、2001年から2002年まで、外資系格付会社Moody’sにてアナリストとしてご活躍されました。37才の時「障がい者が働く会社を起業したい」という強い思いもあり脱サラします。まずは、ご自身がお持ちの資格を生かして、不動産会社を立ち上げられました。
伊藤さんと言えばチョコレートのイメージがありますが、実は2004年11月9日 のガイアの夜明け「復活する土地神話」の会にご出演されております。
構想4年の末、2012年11月 47才の時、全国初の福祉事業所のチョコレート専門工房 一般社団法人AOH、屋号ショコラボ を開業いたします。この10年で6事業所130名ほどの社員の約半数が障がい者の方が働く職場になっております。
これまで様々な業種を経験された伊藤さんが考える社員教育とは・・・。
「外資系会社では、高い報酬の代わりに成果を挙げ続けなくてはならず、いつクビを宣告されるか分からない状況で、実務に関係ない所で仲間との連携や会社の将来の事を考える意味があるのか。メジャーリーガーのように個々のキャリアップは自分自身で行うものではないのか。法人設立後に社員教育をすることに戸惑いを感じていました。また、多少の贅沢をした時でも、贅沢などせず全て社員と平等に分配した方が良いのでは等、経営者としてのジレンマも抱えていました。」
社員とどう向き合い、職種や会社規模などにより異なる社員教育のやり方を改めて考える今回の例会のテーマである“社員教育の目的は何ですか”らしい、大変インパクトのあるスタートでした。
私が同友会に入会以前なら、社員を教育するのは当たり前。経営者と社員に差があるのも当たり前。この程度にしか感じていなかったと思いますが、今は、経営者として大変重要なテーマだと認識することが出来るようになりました。
「中小企業が戦っていくには、従来の教え育てる“教育”から、社員と経営者が共に育つ“共育”の活動をし、よい会社をつくるために経営者は自ら学びを深め、社員を巻き込み、社員とともに成長することが必要になります。」という話と共に何冊かの本の紹介をして頂き、考えさせられるキーワードが沢山ありました。
私は、自社の製品やサービスに込められた思いや、社員の気持ちがきちんとお客様に伝わらなければ、どんなに丁寧なお辞儀をしても形だけのものとしか受け止めてくれないのだと気づくことが出来ました。
どの様に社員を巻き込み自社の理念をお客様に伝えていくか。改めて社員と共に理念を共有し成長できるよう、多くの方達と接して学んでいきます。
(文責:小松精機㈱ 小松秀靖)