川崎支部3月例会は、創業130年を迎える株式會社岩田屋の4代目社長 岩澤 克政氏の報告でした。
株式會社岩田屋は明治27(1894)年に横浜市鶴見区で輸入板ガラス商として初代社長が創業。当時、国内で板ガラスが建物に使われ始めた頃でしたが、国内の製造元がほとんどなく、板ガラスは輸入品ばかりであることに目を付け、起業されたのち事業を拡大。
その後、現在本社を構える、川崎市川崎区・東海道川崎宿に移転し、2代目社長が就任してからは、京浜工業地帯の企業にガラスだけでなく什器等の販売も手掛け、バブル期の3代目社長の時代には、大手ゼネコンの下請けとして社員さん・職人さんも増え、ガラスやサッシの施工業にまで拡大しました。
岩澤社長は川崎で生まれ育ち、大学卒業後は大手建築材メーカーにて勤務。
25歳のときに家業の株式會社岩田屋の役員に就任され、その後一級建築士資格を取得。
平成21(2009)年に社長に就任しました。
先代の頃、バブル経済の終焉とともに事業環境が悪化。
売上は大きいが利益が少なく、且つ、自社で多くの固定費を負担する事業ではなく、より元請けに近い立場で事業ができるようにと、入社時から考えておられました。
そこで自ら一級建築士事務所も立ち上げ、思い切った事業転換を遂げます。
資格を生かした設計・施工業だけでなく不動産賃貸業への進出や、2018年には倉庫をリノベーションし「東海道BEER川崎宿工場」を設立、その後もガラス工芸品の製造・体験教室「東海道GLASS」、今後は「東海道つちのえ」という陶芸教室を開設予定です。又、地域活動にも積極的に取り組まれ、川崎インバウンド研究会や川崎宿400年、川崎市政100年記念事業等の実行委員を務められております。
株式會社岩田屋の長い歴史の中で、戦争や関東大震災、世界恐慌、オイルショック、バブル崩壊、コロナ拡大等、様々な局面を攻めと守りで乗り越えてきた報告は、まさに圧巻でした。
グループ討論では、同友会会員だけでなく、地域の経営者であるゲストの方々が、「時代の変化に対応できる企業とは?」をテーマに熱い討論を行いました。
時代だけでなく、得意先や商品・サービス・技術の変化、業態転換、事業承継による経営者・社員さんの変化、未来を見据えて様々なことに勇気をもってリノベーションしていく、チャレンジしていくことの大切さを学びました。
実は、岩澤社長は報告をされた時点では同友会の会員ではなく、ゲストとして報告いただいたのですが、翌日お電話があり入会されたとのこと!
同友会も含め、これからも地域でも益々ご活躍される岩澤社長から目が離せません!!
(文責:フラットパートナーズ会計事務所 平井 慎一郎)