病院や老人ホームにて、管理栄養士として働かれていた小杉社長、食べ残しなどによる大量廃棄を目の当たりにし、食育で感謝の心を育てる使命を持たれます。県央支部会員で、養豚家の臼井欽一氏と出会い、臼井農産の豚肉で食育をテーマにした焼き肉屋を計画されますが、リーマンショックでストップ。2009年に、ドン・キホーテへの出店話が舞い込みます。
これが、苦難の始まりでした。激安合戦に巻き込まれ、15名でスタートした社員は、4名に。バーゲンハンターのお店で、直売所ではなかったこと、集客・営業手法はドン・キホーテ次第だったことが、苦戦の原因。撤退後、「販売能力を依存しない」、「自分達の力で販売していく」という、核たる方針を決められます。
方針に伴い、①自社店舗を持つ、②テナント販売部門・卸部門の見直しと圧縮、③売上構成比の改善を行います。2015年に、経営指針を受講、労使見解と出会います。①スーパーに卸さない、②命を最後までみる、③自分達のお店でしか売らない、④行政とのタイアップの4つのブランド戦略を掲げられます。あつぎ豚として、2016年、かながわブランド認定。
2018年、厚木市食ブランド認定。2019年、神奈川名産100選認定。
神奈川名産100選は、厚木市役所の推薦だそうです。自社直販とブランド化の徹底により、店舗売上構成比、2011年、8.6%だったものが、2021年、87.1%へと急伸され、売上も順調に伸ばされています。社員と昼食を共にすることを日課とし、飲み会では、「社長より安い物を注文したら支払いはその社員」というルールを設定、気兼ねなく食事できるように配慮されています。
私自身、経営指針受講の際、小杉社長に担当して頂き、「経営者は被害者意識を持っては行けない」という金言を頂き、心の支えとして、行動して参りました。方針とは、3~5年先にビジョンを描くことです。
社員と共に、幸せになるために、商品力や販路など、常に先を見据えて行動して参ります。
(文責 株式会社伊藤商会 亀卦川基喜)