ホテル精養軒は70年以上の歴史を持ち、萩原社長は3代目として様々な経営革新、改革、新店舗展開などで手腕をふるっている。
場所は高層ビルがどんどん建っている武蔵小杉地域で、ちょっと奥まったところにそのホテルはある。
例会では地域と共生する企業をめざす様々な活動が報告された。緑化活動や清掃・防災活動をはじめ、様々なまちづくり活動を行い、特に高層ビルが次々と建ってゆくことによる地域の商店街の存亡を危惧して、地域散策マップ作りにも力を入れ、それが災害時にも生きた話は印象的だった。この地域活動を通して愛されキャラとして定着している様子も感じた。
社長就任後にはリーマンショックや東北大震災、台風9号による武蔵小杉地区の水没によるキャンセルラッシュなど様々な困難を乗り切りながら、老朽化した本館の建て替えを決断し、出店攻勢、ネットワーク環境など時代に沿った施設内のリニューアルも実現している。
2019年3月の経営改善計画策定後2020年2月3週目までは売上絶好調でV字回復と思った矢先の新型コロナの大流行による影響が激変した。
売上の80%が消失し、毎月5千万円以上の売り上げが消えて行く状況中、できることに全力で取り組み、不採算店舗の撤退を素早く行い、全ての経費削減、固定費の徹底見直しを行って、銀行も驚くような成果を示した。
様々な補助金・助成金・救済制度も活用し、驚くことにそれらの申請を外部に頼ることなく、自分で調べて、行政への提出でも何度も通って、専門家も驚くようなことを行って見せていた。
厳しい状況でも地域の人から支えや、本館立て替え工事中の騒音にもお客様が穏便に対応してくれている様など、地域活動や日々のお客様に向き合う姿勢がこういう時にも生きてくるのだなと思った。
そんな中でも地域共生活動やボランティア活動の動きも止めることは無く、そのバイタリティには驚かされた。
全体を通して印象的だったのは、笑顔が絶えないことだった。本来ならかなり厳しい状況の話なので、涙の一つあっても不思議ではない状況の報告にも関わらす、常に笑顔で前向きな発言が多かった。厳し時に社長が落ち込んでいる姿を見せたら、社員への不安は一気に広がると思うが、萩原社長からのそのような感じを一切受けず、この人について行けば大丈夫と思わせる器を感じた。
この姿勢は社長として見習うべき姿と思った。
(文責 コアフューテック株式会社 代表取締役 松本正己)