櫛間さんが創業以来こだわり続けてきた“地域”というものに焦点を当てた報告をしていただきました。
櫛間さんはサラリーマン時代からご本人が所属する会社が倒産をするなど大変のご苦労をされてきました。当時は自分の人生がうまくいかないことを他人のせいにして自分と向き合うことが少なかったようですが、他人のせいにしていても自分は成長しないと気づき始め40歳になったら起業しようと心に決めていました。
ただ、起業準備中にリーマンショックがおこり悩んでいた時にお客様から「本物なら残っていけるはず」という一言に励まされと言います。その際お客様は神奈川県内限定とし地域に仲間を作る活動をコツコツと行い、収益よりもお客様の数や受注件数を重視して経営をしてきた結果右肩上がりに業績が上がっていきました。しかし、東京オリンピック開催によるビッグサイト閉鎖やコロナ禍によるイベント減少などにより受注件数、収益は減少してしまいます。
コロナ禍が落ち着いてくるとイベント開催が増え、同時に得意先からの仕事の依頼が戻ってきて現在ではコロナ前を大幅に上回る受注件数、収益を上げることができるようになりました。同時に社員を雇用することもできました。
また、櫛間さんは個人的にも自身が生まれ育ってきた東林間という地域を大切にしています。最初に雇用した社員はその大切にしてきた東林間の仲間で櫛間さんの地域を大切にしたいという思いに共感して入社されたそうです。
ただ、残念ながらその社員は自分自身が今まで携わってきた旅行業界に戻りたいと思い始め退職をされてしまいます。社員から退職を告げられた時、櫛間さんは自宅に帰り信頼している社員を失うのはこんなにも悲しいことなのかと声をあげて泣いたそうです。その時にサラリーマン時代にお世話になった社長に自分が退職を告げたときに言われた「お前も自分がやるようになったら俺の気持ちが分かる」という言葉が蘇ってきたと言います。今は新たな社員を雇用しその社員も櫛間さんの地域を大切にするという思いに共感して入社されたそうです。
櫛間さんの報告から、幾多の荒波があろうとやると決めたときの決断力や、地域や仲間を大切にすることの重要さを学ぶことができました。そして櫛間さんは神奈川そして東林間を本当に愛しており、だからこそこだわり続けてその地域のためになんでもできるのだという気づかせていただきました。
(文責:一般社団法人エボシライン 代表理事 高野宏章)