営業マンだった頃、社会福祉法人への営業の際に言われた「ありがとう」の言葉が胸に残り素直にうれしかったそうです。
それをきっかけに親会社の別会社として2015年に独立し同友会にも入会します。
就労移行、就労継続、居宅介護、移動支援等サービスの多角化に成功し売り上げは5年間で10倍になりました。支部例会で「人を生かす経営」ぜんち共済の榎本社長の報告を聞き、それまで怒鳴り散らし自分のいうことを聞かせていましたが「変えるべきものは自分自身である」と考えを改め、社員が主体的に動くことが出来る働きやすい環境整備に取り組むことを考えるようになりました。
売り上げが10倍になり急成長をしますが業務量と社員の成長にずれを感じミスも目立つようになりました。
しかし株主からは事業拡大を求められます。社員の力量を考えると事業拡大に従うことができず、株主に対して嘘と出来ない理由を並べるようになってしまいました。
その結果、会議の場において一方的に「解任です」と告げられることになりました。
本庄氏は突然の解任を受け入れられず落ち込んでいる時、同友会の仲間に話をすることで、今置かれている現実を受け入れることが出来たそうです。それから友人の協力や助けを受けて業種の違う複数の事業を合わせてミナシアホールディングスを立ち上げます。
景気に左右されない福祉事業を取り入れ工・福連携や自分の体験を踏まえてお互いが理解しあえるための就業規則の整備、中堅社員の意識改革や顧客の整理、税金対策など、経営者として新たな実践を始めています。また今は支部仲間と決算書を見せ合い勉強会にも取り組まれています。
いつか社員に「ミナシアホールディングス」で働いていると胸を張って言ってほしいと願っています。事業は始まったところ5年後にはもっと良い結果をだして再度報告をしたい話されていました。本庄氏は解任というショッキングな出来事がありましたが同友会での学びの場を活用できる行動力と課題や悩み、自分の弱みを本音で相談できる仲間に出会えているではないかと気づくことができました。
(文責 NPO法人三浦市介護サービスセンター 理事長 高栁慶枝)