毎年12月の県南支部例会では経営指針のベースとなる『労使見解』をテーマとしております。労使見解を学ぶ中に「社員を最も信頼できるパートナーと考える」とあります。 そこで今回は『どうしたら社員をパートナーとして考えられますか?』というテーマでご報告いただきました。
8年程前業績が厳しい中、第44期経営指針作成部会を受講し、その後社長になった。初めは経営指針ができれば自動的に会社は良くなると思っていた。しかし受講後業績の回復もなく、むしろ経営者と社員の関係を含め社内の雰囲気はさらに悪化している様に感じた。
そこで他の経営者の経営指針発表会を見学する等しながら、先ずは社員との信頼関係の修復から取り組むことにした。取組としては表彰制度や社内アンケート、個人面談、社員の家族にもニュースレターを発行し理解を得る等多岐に及んだ。後に社内の雰囲気も良くなり、挨拶や笑顔が増え、仕入れ先に褒められ、自主的に動く社員が増えてきた。
これで社員との信頼関係が修復してきたと感じ始めた頃、2019年の経営労働問題全国交流会に参加する中で、裏切られても社員を信頼する勇気を持つという話があり、真の信頼関係の構築にはこのゆるぎない経営姿勢が労使見解にある経営者の責任の一つと捉え、そのためには経営者がもっと強くなる必要があると感じた。
そこで例会などの同友会のグループディスカッションを通じて自身を俯瞰し(メタ認知)、理解し(自己理解)、受け入れ(自己肯定)、経営者として確立していくこと(自己実現)に取り組んだ。
結果、現在経営者自身が自己承認できたことで、社員に対しても承認ができるようになり、さらにはいかなる時も社員を信じる覚悟を持つことで労使の信頼関係が構築され続けている。
最後に、話の中の自己の理解・肯定・実現について論理的に説明されが、自身の既存の理解より大分膨らんだのは私だけではなかったと思います。
また、昨今の福田産業の業績が向上し続けているのは、労使見解を通して経営者と社員が共に成長し、強いリーダーシップと労使の信頼関係のもとにある成果だと確信しました。
(文責 株式会社山装 代表取締役 山田進弘)