川崎市との超時短雇用についての合同例会も二回目の開催となりました。継続して取り組んでいくことが重要であるとの想いが一致しての開催です。
最初に、超時短雇用の概要と前回行った自社での作業の切り出しの講演が東京大学先端科学技術研究センターの近藤教授よりありました。
作業の切り出しの実例をテレビ取材されたビデオを合わせ見ることで導入のやり方を実感していきました。超時短雇用することで、どのような自社のメリットがあるかを考えながら切り出し作業を構築していくものだったのですが、想定外のものから発想を転換し作業を切り出していくので、目から鱗の驚きがありました。
実際に、「なるほど」と相槌を打たれる方も多く、それぞれ自社の超時短雇用のイメージを持ちながら、報告を聞く準備となりました。
最初の事例報告は、サンエレメント(株)の代表取締役の石村氏より、超時短雇用の創出した経過と工夫した点などが報告されました。
元々30年以上前より、障害者雇用をされており、そこに新たに2名の超時短雇用を実施されたのですが、それぞれの方に合わせた作業を切り出し、本人たちも自信を持って取り組み作業効率を向上させ成果を上げていました。そこには、「声かけ運動」を全従業員で取り組む、一週間の報告ミーティングを実施し、作業の負担がないかを細かく見て作業配分する配慮工夫がありました。
そういった環境の中で、もっとやりたいとの本人たちの意欲を引き出すことにつながっていました。メリットだらけという言葉が超時短雇用を取り組んだ感想でした。
次の事例報告は、株式会社熱源の総務の小山氏より、初めての超時短雇用までの経過と現状の報告がありました。
最初は、障害者雇用を考える余裕がなく取り組むつもりはなかったとのことでしたが、企業応援センターかわさきの方から、超時短雇用を何度も勧められるなか、小山氏が休まざる得ない状況で人手が必要となり、企業応援センターかわさきの方の協力の元、超時短雇用に取り組んだとのことでした。
たまたま防空壕があった土地に自社を建立したことがきっかけで、歴史ある防空壕を残し有効活用するための事業としてキクラゲを栽培し販売したとのことですが、それが話題となりテレビ取材などもされ爆発的に需要が高まり、人手が必要な状況があったタイミングでもあったとのことでした。
実際に超短時間雇用を導入するにあたっては、起業応援センターが寄り添ってくれたおかげで大きな苦労もなく始められ、紹介された方が非常に器用ですぐに作業を覚えただけではなく、綺麗に仕上げることを考え工夫したことで、商品価値が上がったということです。そのことは社員にも良い刺激となり、商品仕上がりが綺麗になることで売り上げにも影響を与えていると良いことづくしだと話していました。
2社とも障害者雇用と捉えておらず、自社にメリットだらけだったということ、そして、超時短雇用なので、人件費の面でも企業負担が少なく経営に良い影響しかなかったと振り返っていました。
最後に、近藤教授から、「本業に近いところで働く、本業の中心で働く、誇りを持って働く」この3つが実現されて、新しい思考のスイッチが生まれていく、そして、地域に頼りにされていく。そんな超時短雇用の未来地図をいただきました。
超時短雇用に取り組みことは、同友会の3つの目的にあるように、「人を生かす経営」と通じるものだと参加した方々も感じた例会でした。
(文責:一般社団法人発達障害者就労サポート協会 隠村美子)