小田原支部7月例会は福田産業株式会社代表取締役福田隆将さんにご報告いただきました。
福田産業株式会社は横浜市鶴見区で梱包資材や建築資材の卸業を営んでおります。
先代から事業を承継する形で代表になった福田社長でしたが、承継当時会社内の人間関係に悩み、経営指針の作成に取り組みます。
経営指針作成後、指針のブラッシュアップを続けていれば、きっとこの苦しみから抜け出せると毎年社内で指針発表を続けますが、なかなか良くならない会社の雰囲気に悶々とした日々を過ごしていました。もがきながらも模索する中で、福田社長に大きな気付きを与えてくれたのは、同友会のバイブルともいえる「労使見解」でした。
労使見解には「社員を最も『信頼』できるパートナー」と書かれています。
信頼とはどういう意味なのでしょうか。
信頼とは、信用と違い、無条件に他者を信じることだといいます。
そして、裏切られる勇気を持つこと、裏切られたとしても信頼した自分を誇りに思うこと、これが経営者の責任だと、労使見解に教わります。また経営者の覚悟とは社員と向き合うことであるということも気づかされました。社員と向き合うためにはまず、ゆるぎない自分を見つけることが大切であるといいます。
ゆるぎない自分とは、ありのままの自分を受け入れること、そのためには徹底的な自己理解、メタ認知が必要になっていきます。では自己理解はどのように深めていけばいいのでしょうか。このお話を聞いて私はあることに気づきました。それは経営指針作成とはまさにゆるぎない自分を見つけそれを言語化する工程なのではないかと。
福田さん指針作成後も、ずっと経営指針作成部会に参加しているそうです。福田さんは、メンターとして参加し、受講者に問いかけている中で、その問いかけを自分自身にも問いかけ、さらに自己理解を深めていこうとしているのではないでしょうか。
私は自己理解、メタ認知とは他者との対話の中で生まれるものだと感じました。
他者と意見を交わす、相互理解のプロセスの中で自分も発見することができる。同友会例会の肝でもあるといわれるグループ討論は参加者と相互理解を深める中で、自己理解を深めていく時間なのだなと改めて考えさせられ例会でした。
(文責:小田原鉱石㈱ 高橋淳)