1969年にお父様が創業された会社を2014年に引き継がれた福田さん。必ずしも順風満帆ではなかった社歴をお聞きしました。
事業内容は専門商社(資材の卸売)として梱包資材や建設資材、建築資材を販売されています。
社長就任直後は、「決算での売上高のみを把握」「棚卸も年1回で在庫金額のみ把握して商品原価もわからない」などドンブリ経営をされていました。その結果、減収減益をおこしたり、負のスパイラルが発生し社内の雰囲気が悪くなったり、何年も同じ商品が倉庫にあふれかえって、在庫過多でのキャッシュフローの悪化させるなどの事態を起こしてしまいました。
福田社長は、そのような状況を何とか打破しようと2014年に同友会の経営指針作成部会を受講し、経営理念をはじめとする経営指針を作成されました。
「私たちは 未来を切り開く 勇気を誇りにし グローバルに広がる 人の夢を実現します」という理念のもとビジョンからの逆算がた経営に切り替えられました。まず「利益をいくらだしたいか」から経営計画を立て、「出た利益を何に使うか」も決めて社内共有しました。使い方は、社員の豊かさ向上の為に利益還元、商品開発や社員教育、設備投資など会社の未来のために投資するということにしました。
また、立てた計画の振り返りを月次、半期、年と複数回に渡り行うことにより、PDCAを回しいくつもの数値管理が行えるようになり業績も大きく伸びることになりました。
この度の発表をお聞きし、私が一番大事だと感じた部分は、「日々の積み重ねの延長で未来を見るのではなく、未来を思い描き(何のために自社は存在するのか?)、そこからの逆算で今を生きることが大事だということ。」そして、「思い描くビジョンと今(または計画)との乖離した部分を日々チェックして、改良していくことにより、スピードに差はあれど必ず成長につながるのだ」ということです。
今は激動の時代で、新たなトレンド、技術、思考が生まれ人々の価値観も簡単に変わることがあるので、思い描くビジョンに到達するための手法も変えなければならないことは必ず発生するでしょう。しかし、逆算型の考えで日々のチェックや改善を行うことにより、時代にあった手法を見つけ出し、会社は成長し発展し続けるのであろうという風に思いました。そして、それを社長のみで行うのではなく、社員を巻き込んで社員が実感できるように行うことも大事だなと感じました。
(文責:大和興産㈱ 大貫真嗣)