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神奈川県中小企業家同友会
10:00〜18:00(月〜金)

[報告] 2024年6月 相模原支部例会

テーマ:天狗になった後継社長の挫折と成長⁉
    ~自分が発信すれば、人は変われる~
開催日:2024年6月24日(月)
報告者:㈱テクノフロンテ 代表取締役 酒巻利光氏
会場:町田新産業創造センター & Zoom(オンライン)
㈱テクノフロンテ 代表取締役 酒巻利光氏
㈱テクノフロンテ 代表取締役 酒巻利光氏

酒巻氏は、お父様が作られた会社に大学卒業後にアルバイトとして入社され、「仕事を手伝う」という感覚で金属加工業に携わるようになりました。それでも加工技術はメキメキと成長し社内でも1、2を争う技術者となられたことにより、ご自身曰く「少し天狗になった」そうです。

こうして自分に少し自信がついたこともあり経営について少しお父様に意見するようになったそうですが、お父様は聞く耳を持たずにいられたそうです。その後、酒巻氏が某団体に参加するようになり多くの諸先輩方と色々な話をするようになって、経営に対する自分なりの意見も持つようになり、再度、お父様にお話をしたところ、酒巻氏が色々と食い下がったこともありお父様との確執が生まれてしまいました。

そして、お父様が会社を出て行ってしまい、近くで別会社を開始し、しかもお客様の一部も持って行ってしまったそうです。その時、酒巻氏は初めてテクノフロンテの代表取締役は酒巻氏自身であることを知ったそうです。

酒巻氏は自分が代表取締役であったということを受け止めて、何とか会社を維持成長しようと試みましたが、世の中の経済的事情やコロナなどで思うように事業ができません。そんな時、某団体の先輩方に色々なアドバイスを頂いたり、時にはお仕事を頂いたりと助けて頂き、乗り切ったようです。

その後、同友会に入会し経営指針作成部会に参加され、自分の仕事の意義等を認識し、新たな志で今でも事業をされています。経営指針を作成後に当時いた社員様が辞められたりと紆余曲折は続きましたが、それでもあきらめることなく努力され、某団体や同友会の周りの方々への相談をし、そして助言・力添えを真摯に受け止めて会社の経営状況を黒字転換させました。

酒巻氏は、「今でも仕事を続け、自分の仕事の意義を全うするために夢を持てているのは、全て周りの人に相談をし、智恵・力を貸して頂けたからだ」と力を込めて語りました。

相模原支部6月例会

私は、お話を聞きながら、ご自身では簡単に「智恵・力を貸して頂いた」とおっしゃりましたが、そこには普段から力を貸して頂けるコミュニケーションをとり人と人との関係性を構築していたから力を貸してもらえたのであろうと思いました。よく経営者は孤独だと言われますが、酒巻氏のお話は「酒巻氏の孤独感」は感じられず、周りに頼りになる仲間が沢山いて、それは普段から酒巻氏が自分で築き上げた人との関わりなんだと感じました。

正直、個人的には人とのコミュニケーションをとることが苦手と感じているのですが、このお話を聞いて、自分でも挑戦してみようと思いました。でも、それは損得勘定をして普段から人とお付き合いするのではなく、相手を想う付き合いが必要なのだとも感じました。

(文責:大和興産㈱ 大貫真嗣)