2月の湘南支部・女性部会合同例会では、個室焼肉 登龍門オーナーシェフ 真部奈弥さんと、ブランドコミュニケーション支援を行う有限会社KOBAYASHI代表取締役 小林香代子さんにご登壇いただきました。
小林さんは2020年よりブランドコミュニケーション支援を行っており、「人の表情や、その後に起こる行動を思い描きながら設計すること」を大切にされています。17年間勤務された化粧品ブランドLUSHでは、理念浸透やブランド表現、組織づくりに携わり、企業の急成長を現場で体感されました。理念に共感した仲間と切磋琢磨した経験が、現在の「働くを、デザインする」という視点につながっているそうです。
真部さんは2015年に登龍門を事業承継されました。当初は大衆的な焼肉店の平均単価でしたが、「価格ではなく価値を守る店へ」と決断されます。世界観に合わない約30品を削減し、未経産雌牛を中心とした和牛へと転換。さらに外観・内装・食器・WEB・SNSまで一貫して刷新されました。ブランドの軸を明確にしたことで客単価は2千円~3千円上昇し、来客数に依存しすぎない利益構造へと変化しました。
一方で、変革の過程では社員との温度差も生じました。理念が十分に共有されないまま多忙を極め、真部さんご自身も体調を崩される経験をされました。そこで小林さんとともに、交流会やキックオフミーティング、ワークショップを実施し、理念と行動指針を言語化し評価制度と連動させる取り組みを進められました。「やらされる」から「自分ごと」へと意識を転換するプロセスを大切にしたことで、外側のブランドと内側の組織がかみ合い始めます。口コミの増加やリピーターの拡大など、顧客からの評価にも確かな変化が表れ、経営に“利益と余白”が生まれたとのことです。
今回の報告は、拡大や売上増だけを目標とするのではなく、理念と構造を整えることで持続可能な経営を実現する重要性を示すものでした。経営者の覚悟と対話の積み重ねが、組織の一体感を育てていくことを学ぶ機会となりました。
グループ討論では参加者同士が感想や自社の課題を語り合い、学びを実践へとつなげる前向きな対話が広がりました。その後、登龍門特製の牛タンリゾットをいただきながら交流の時間を持ち、理念を体現する料理と空間の中で、温かく充実した時間を共有することができた例会となりました。
(文責:株式会社エナメディカル 伊藤千明)