支部の地域活動の一環で静岡県中小企業家同友会富士支部の方々と月一回のランチミーティングをしています。以前、富士支部の例会に本多代表理事((株)東邦プラン)が招かれ経営指針の講演をされたこともあり多少の縁がありました。そこで、経営指針の実践者として小林修さん(富士支部(株)ジープロシューマーズ)の報告を聞こうということになりました。
報告は、自己紹介から創業エピソード・バブル崩壊・同友会入会・リーマンショック・東京営業所開設・コロナ禍と順を追って丁寧に語ってくれました。例会参加できなかった方のためにサラッとエピソード紹介します。
1985-創業:デジタル回路関係のベンチャー企業から当時付き合っていた彼女と脱サラ独立(のちの奥さん)ペンション向けシステムを一人で開発し製品化する。
1991-バブル崩壊:バブル崩壊ってなに?というほど知識なしの状態、なすすべがなかった。
1999-同友会入会:人から学ぶこと、長いもの(同友会)にまかれることを覚えた。
中同協役員セミナー(in盛岡)田山謙堂氏、赤石義博氏、鋤柄修氏の講義を聞き学びのきっかけを得る。田山氏の労使見解の冊子についてこれは250円(現在は500円)だが1万円の価値はある。バイブルである。
2009-リーマンショック:売上減で貸しはがしなどにあい社員2名を解雇するほど追い込まれたが奥さんの「社員にも生活がある。まだ同友会の会費(6000円)も払えているのに」の言葉で解雇を思いとどめる。そんな中、思い切って東京事務所を開設。
2015-創業30年:社員のモチベーションのために新社屋を建設移転。
2020-コロナ禍:売上減4割だが経営指針が支えになり一喜一憂せず落ち着いて行動できている。
エピソード以外の同友会の学びを自社へ反映して実践している。経営指針の成文化(いつでも参照できる状態、常に2年分携帯している)毎年期首に社員全員で指針発表会を実施。社内報を毎月発行し経営指針の浸透を目的としている。経営指針や同友会理念を念頭に文章を書いている168号(14年)を超えている。
個人面談を随時実施。年に2~3回、ひとりずつ面談をしている。個人的な話を含めてあらゆるテーマで・・・。新卒の定期採用している、それは鋤柄さんからの「新卒者が社員の半分を超えると会社が変わる。」を受けて。もう一人で半分になる状況に来ている。
同友会の学びの教科書のような小林修さんの報告でした。皆さんもどこかの例会・研修会・全国大会で聞いたことがあるフレーズが多く出てきたことでしょう。それを実にまじめに真摯に実行されています。これが長く経営してきた大先輩の実績なのだなあと思いました。
私も2006年の盛岡での役員研修会に出ましたが、労使見解1万円の価値があるなら10万冊仕入れて売ったらいくら儲かるかなと考えていました。その受け取り方・学びの違いが現在の経営状態の差に出てきているのでしょうね。反省。
(文責:㈱共栄設機 外田雅樹)