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神奈川県中小企業家同友会
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[報告] 2023年10月 横浜中央支部例会

テーマ:居酒屋のおやじが異業種に飛び込んだ理由
    ~激変する社会環境の中であなたの事業は安泰ですか?~
開催日:2023年10月16日(月)
報告者:株式会社えびす屋ダイニング、ネクタコレクト株式会社 代表取締役 梅田 英樹氏
会場:かながわ県民センター & Zoom(オンライン)
参加者数:45名
株式会社えびす屋ダイニング、ネクタコレクト株式会社 代表取締役 梅田 英樹氏
株式会社えびす屋ダイニング、ネクタコレクト株式会社 代表取締役 梅田英樹氏

2023年10月例会は、ビアレストラン「エビスダイニング」を経営されている株式会社えびす屋ダイニングの梅田社長にご登壇いただき、本年新たにネクタコレクト株式会社を設立し、就労継続支援B型事業所を開設するに至った経緯、なかでも高校生はじめ、様々な境遇の方々との関わりの中で気付いた本当の「事業の目的」についてお話いただきました。

長年の飲食業界での経験からオープンさせた「エビスダイニング」を経営する中、高単価=売上増が狙えるとの気持ちで始めた高級焼肉店の短期間での撤退、さらに飲食店に大打撃を与えた新型コロナウイルス感染症の拡大による営業自粛要請や、昨今の仕入・光熱費等の原価高騰、飲食大手の低価格戦略等、飲食業界を取り巻く急激な事業環境の変化を目の当たりにした梅田社長は、飲食店経営の限界を感じ始めていました。

横浜中央支部10月例会

その中で、様々な事情を抱えた高校生たちに出会い、夢を持てずにもがいている生徒たちの姿を見て、「自分に何かできることはないか」「制約がある中でも彼らに働くことの意味を体感してほしい」との想いから、同友会の仲間に協力を得て、みかん農家・いちご農家での就労体験会を開催します。そうした活動を重ねていくうちに、自らのエビスダイニングを活用しながら新会社である就労継続支援B型事業所とうまく連携させ、高校生・大学生の就労を支援する、取り組みを始められました。

これは単に「就労支援をする」ということを超え、事業の理念・ビジョンとして掲げる「社会に必要とされる企業」を目指すために、就労支援施設を活用していく、といった目的と手段を明確にしながら取り組んでおられます。

梅田社長は、数年前に同友会の経営指針作成部会に参加し、意見をぶつけ合いながら10年ビジョンを作成、以後、その10年ビジョンを毎年更新しているそうです。
当時、経営指針作成部会の先輩方に声をかけてもらった言葉『会社とはその目的が崇高であればあるほど、その目的のもとに様々な手段が生まれます。そしてその手段がそれぞれ付加価値(利益)を生んでいくんです。いいですか、梅田さん。「会社は世のため人の為」会社とは社会の役に立つものでなくてはなりません。それを必死になって考えてください。』の意味が今になって身に染みて分かり始めたとのこと。

社会に必要とされる企業になるための理念・目的・ビジョンを明確にし、そのための手段としてどのようにアプローチするのか、という企業経営の根幹を梅田社長の報告から改めて考える機会となりました。

横浜中央支部10月例会

報告後の討論にて、「5年後のあなたの事業について」というテーマを基に、各グループで意見交換を行いました。その中で、事業の新規か既存かを問わず、いかに他社と差別化をしていくか、自社の強み、ファンをつくっていくこと、そのために今すべきことは何か等、活発な議論となり、自身の事業の中においても必要な多くの学びを得ることができました。

(文責:小林税務会計事務所 小林貴明)