今回のテーマは多くの中小企業経営者が抱えるお悩みの1つだと思います。会場で3グループ、Zoom参加者で2グループ、計5グループで討論され、発表時にはすべてグループ長から挙手があり、関心の高さを感じました。まず、山岸さんがなぜここまで弁護士を目指そうとしたのか、は7歳の時のジャイアン事件にさかのぼります。親友がいじめられている時に助けることが出来ず、その時の悔しさが人を助けたい想いの源泉でした。
そうして、想いを実行するべく専修大学法科大学院を無事に卒業し、新司法試験の受験を開始したのですが、三振!(5年間で3回落ちることを指す)この時33歳、一旦、お父さんの会社に入社します。ところが、入社するも1年もたたずにお父さんと喧嘩になり退職して、お父さんとは絶縁状態に。あきらめきれない弁護士の夢を追って、家庭教師のバイトで生計を立てながら、40歳のときになんと予備試験に合格。41歳司法修習、そして42歳のとき弁護士登録となり、念願の弁護士としての道を歩み始めます。
討論テーマの1つ(あなたが山岸さんの立場だったら)夢を取りますか?事業承継しますか?
3グループの方に発表してもらい、夢を取りますというグループが1つでした。その理由は、自分で決めたことは苦難があってもやり遂げることができるので、子どもの意思を尊重したい。一方、事業承継をとるというグループが2つ。その理由ですがお父さんがここまで良い会社を作ったのだから、継ぐべきとのこと。
今回の学びですが、夢の実現か、事業承継か、これに絶対正解は無いかと思います。父が社長で、自分には兄弟がいない一人っ子という今回のケース、一般的には、後にも先に継ぐ人間は自分しかいない状況ですが、そのことは子供は百も承知しているはずです。(継ぐかどうかは別にして)山岸さんのお父さんに対する気持ちで印象的だったのは「後継ありきで話してくる姿勢」、それが嫌だった。つまり、「自分の話を聞いてくれない」「承認されていない」という事で、壁ができたそうです。ですから、後継者については早急にならず、まずは子どもの夢を聞く姿勢が大事。そして、普段から会社の良さを伝えることで理解が進むと思いました。
お父さんの想いは叶わなかったけれども、弁護士になる夢を夢で終わらせずに結果を出した息子の姿をお父様は喜んでいると思います。そして、山岸さんが27歳のときに亡くなったお母様も天国で喜んでいるはずです。
(文責:ゴーウェル㈱ 友部 守)