「社員教育は何のため」とのテーマで自分の受けた社員教育の体験と自分が行った社員教育の失敗から「教育」から「共育」に変化した課程を報告いただいた。
報告者の岩谷さんは、大手予備校で勤務していましたが創業者の父親に請われて、株式会社タスクフォースに入社します。入社研修で先輩講師のイヤイヤ感が見え、入社後、若手社員と幹部社員を育成するための研修を自分で行うと提案します。
ある時、社内で社員教育に関するディスカッションを行った際、「意味がない」、「効果がいまいち」などネガティブな意見しかでなかったため、なんとかしなければとの思いになったそうです。その原動力となったのが「ためため分析」です。研修に限らず、常に誰のため、何のためと繰り返すことで目的意識が芽生えてくるそうです。その中からみんなでいい会社を目指す。成長したいという気持ちになってきたと報告されました。
教育という言葉は「教えて育てる」という上から目線になりがちです。特に技術の世界では経験がものを言い、上から目線になりがちです。一方、共育と「共」の字を使うと「共に育つ」となり、上から目線の感覚が消えます。研修に限らず、業務を遂行していく中で相手に教えているんだという気持ちがあると、言うことを聞けという感覚になり、なかなか相手の意見を聞くことができなくなります。
「教」から「共」に気持ちを切り替えるだけで相手の意見を聞き、ともに会社を育てようという気持ちになると思います。このことは同友会の精神である「社員はパートナーである」という言葉にも繋がります。
最後に「ためため分析」の「ためため」が相手の意見に対してあれもダメ、これもダメと「ダメダメ」にならないように心に刻み付けて日々の会社経営に生かしていきたいと思います。
(文責:S.Design Create 清水裕介)