日崎工業さんの主軸になる事業は多様なオーダーに応じる金属製装飾設計および製作というものです。それは展示会、駅、空港の表示板であったり、公共の場所や美術館に飾られるオブジェであったりします。
三瓶さんは若いとき、放浪の旅を愛し、日本を2年、アメリカを1年旅していたそうです。
そんな自由に生きてきた三瓶さんが急遽父親の仕事を引き継ぐべく日崎工業に入社することになりました。
業績は好調に推移していましたが社長交代の翌年にはリーマンショックが日本を襲います。
売上減少の食い止めるためにありとあらゆることをしますが空回りし成果が出ません。そんな頃に同友会に入りましたがしばらくは幽霊会員だったそうです。
2013年には経営者として意識改革が必要と自覚し、同友会にまじめに参加するようになりました。
同友会での出会いや経営指針の作成を通して社員を第一に考えるようになり、様々な企業変革を行ってきたとのこと。
若手率向上、女性の活躍と活気を取り戻してきました。
同時に一般消費者向けのアウトドア系用品をECサイトを通じて販売していったり、特殊車両事業を推進したりと新しい事業への取り組みも進めました。その他に脱炭素へ取り組みで省エネ化と再生エネルギーの導入を推進しています。
これからも事業変革を継続して売り上げを伸ばし良い会社にしていくという強い決意に経営者としての凄みを感じる発表でした。
日崎工業さんは先代から引き継いだ良い商材を持っていたとは思うのですが、それもそのままではいずれ標準化されたり、陳腐化していったり、競争の激しい世界で経営することになります。
しかし三瓶さんは元の商材を変化させ発展させ、そこに自分の興味のあることを加えて多くの事業領域に広げていって、ブルーオーシャンへと突き進む様は経営者としてとても羨ましく思いました。
また、良い社員の育成を怠ることなくやっていることにも頭が下がります。私も今一度、社員教育に力を入れようと思いました。
(文責 ㈱郷田製作所 郷田元宏)