神奈川県中小企業家同友会には、歴史ある「経営指針作成部会」という部会があります。
年に2回開講され、私は2025年の4月から6月までの3か月間、毎週開催される65部会に参加しました。
私は知識も経験もないまま勢いで起業したため、ビジネスや経営を学ぶために同友会に入会しました。
入会後、「立ち上げたばかりだからこそ参加した方がよい」「やることが明確になるよ」と、多くの方から経営指針作成部会への参加を勧められました。
一方で「指針作りは大変、しんどい」とも聞いており、興味はあっても、売上もほとんどなく法人化もしていない個人事業主の自分が受けても意味があるのかと迷っていました。「いつか受けたいな」という程度の気持ちでした。
しかし、同友会に入会して1年が経ち、経営とは全く関係のない私にとっても、知らない世界を知る楽しさや、初めて会う人たちとの交流がとても面白く、同友会の活動が「事業に生かす」ことだけでなく、好奇心を満たす場であることに気づきました。
このままでは事業が趣味で終わってしまう…
危機感を覚えた私は、意を決して指針作成部会に参加することにしました。
参加者は12名で、同期と呼ばれます。
社員を数百名抱える経営者から私のような個人事業主まで、業種も会社の規模も多種多様でした。年齢も20代から70代まで幅広く、それぞれの課題は異なりますが、互いを思いやりながら意見を交換し、励まし合う仲間となりました。
はじめのうちは緊張や不安もあり、「私は何のためにここにいるのか」と目的を見失いそうになることもありました。しかし、同期の真剣さや覚悟に触れ、「私もやるぞ!」と自分の意識が引き上げられました。それからは、とにかく課題に向き合い、本気で取り組みました。
指針作成の最後には発表会があります。
さまざまな困難もありましたが、互いにリーダーシップを発揮しながら12名で乗り越えた3か月でした。
発表では、一文字一文字に思いを込め、これからの未来に胸を躍らせながら発表しました。
同期の発表も、一人ひとりの状況や想いが伝わり、思わず涙してしまう場面もありました。
集まると親戚の集まりのような温かさのある同期に巡り会えたことが、何よりもの財産になりました。
指針受講後は、自分のやることが明確になったことで、事業について自信をもって説明できるようになりました。
今までは自信もなかったため、抽象的にしか話せていなかったと感じます。
行動力も上がり、試験に合格したり、契約が決まる、依頼が入るなど、大きく変化しています。
意識が変わることで行動が変わり、結果も変わる。そのことを身をもって体感しました。
指針作成部会の受講を終えると、次はサポーターとしての参加が修了条件となります。今月から66部会が始まります。受講で得た学び以上に、サポーターとしてさらに学ぶことが多いと感じています。
経営者にとって知識は重要ですが、人間の器を大きくすることが、人としても経営者としても大切なのだと思います。
さまざまな経験をさせてもらえる同友会だからこそ、これからも「怖い」と思うことこそチャレンジして、人間力を身につけていきたいと思います。
今回の経験を無駄にせず、事業にしっかり生かしていきたいと思います。
Saki Coaching
松野咲子