2024年10月11日、県央支部広報チームメンバーで神奈川県綾瀬市にある株式会社栄和産業の第5工場を訪問しました。
栄和産業は1974年に設立し、建設機械部品等の製作をされています。
創業の父から事業継承し、現在は伊藤正貴さんが代表取締役社長をされています。
栄和産業は多数表彰されており、その一部をご紹介いたします。
・2019年12月 えるぼし認定(女性活躍推進法に基づく認定制度)
・2020年3月 新・ダイバーシティ経営企業100選(神奈川県6社目、綾瀬市で初めての受賞)
・2021年3月 日本でいちばん大切にしたい会社 大賞(神奈川県6社目)
・2023年3月 障害者雇用優良中小事業主(もにす認定事業主)
私の製造業のイメージは男性の職人が黙々と作業をされているイメージでした。
教育も「背中をみて覚えろ」のような、上下関係がとても厳しい昭和の時代の印象でした。
しかし、今回の訪問でそのイメージが変わりました。
まず訪問すると事務所の方皆が立ってご挨拶してくださいました。
工場で作業されている方もわざわざ手を止めてご挨拶してくださり、雰囲気もやわらかく社員同士で協力して作業している姿が印象的でした。
一番驚いたことが、板金をレーザーで切り落とすのですがその機械を操作している方が障がいのある方だったことです。
「障がい者が工場で働くのは危ないのではないか?」とまず第一に安全性が頭をよぎりました。
それに対し伊藤社長は「できないと決めつけていたら成長の機会をつむってしまう。発揮できる環境を整えることで強みが引き出される。障がいの重さではない。」
「支えられた側が今後は支える番。この成功体験こそ自己肯定感につながる。」と話され、障がい者手帳を返し健常者となった方もいるそうです。
「障がいという概念は必要ないのかもしれない」という言葉が印象的でした。
企業理念が『ダイバーシティの力で笑顔あふれる未来を創りだす』を掲げており、自社の課題を解決していくことが結果的にダイバーシティにつながったそうです。
障がい者や外国人労働者の雇用、小中学生向けのワークショップ、支援学校などの実習生の受け入れ等、社会活動も積極的に取り組まれています。
障がい者雇用に悩まれている経営者が見学に来るなど、栄和産業はまさにダイバーシティのお手本になっています。
多数表彰されている理由もうなずけました。
伊藤社長自ら社員育成の講義をしたり、加点方式で社員をみて「失敗してもいい文化」を自ら発信されています。
その文化から社員が挑戦し成長する風土を作られているのではないかと思いました。
『ものづくりは 誠心 誠意 誠実』のメッセージと共に社員との関係性を築いている姿は、まさに経営者であり教育者の姿でもありました。
同友会の理念の中に「国民や地域を共に歩む中小企業」があり、それを体現されていました。
伊藤社長、ありがとうございました!
https://www.eiwa-sangyou.co.jp
文責 Saki coaching 代表 松野咲子