2025 年 1 月 15 日、県央支部広報チームで神奈川県綾瀬市にある旭工業有限会社を訪問しました。
同社は 1956 年に設立し、主に半導体の製造工程で使用されるカーボンの部品の製作をされています。 現在の嶋知之社長は、祖父の代から受け継ぎ現在4代目の代表を務めておられます。従業員数は 38 名で現在は技能実習生の受け入れも行い、多様性のある雇用を推進している印象を受けました。
カーボンの加工について、なかなかイメージが沸かないと思いますが、カーボン製品はどんな大きな製品、小さな製品も全て削り出しで加工されていきます。
削り出しでの加工の代表格として、鉄が思い浮かぶと思いますが、鉄の製作方法と大きく違うところは、油を一切使用しない乾式加工であると伺いました。
旭工業の強みは、大型製品(長い物も含む)や、硬い性質のカーボンの加工ができるところにあります。カーボンの融点は 3,000 度と非常に高く、その性質を利用して様々な工業製品の製造工程で活用されております。
また、現在は同社の新規プロジェクト「Sumi」シリーズの調理器具の開発にも力を入れておりました。
※ショーケースにたくさんのカーボン調理器具が並んでます。
また、企業の PR にも非常に積極的であり、様々な表彰実績があります。(以下は一例)
・かながわ中小企業モデル工場
・かながわビジネスオーディション 2022 特別賞
・神奈川がんばる企業エース
・神奈川県優良工場
当日は本社工場と第2工場の見学を行わせていただきました。非常に印象的だったのは、社員みんなが笑顔であいさつをしてくれることでした。
工場内では男性スタッフ、女性スタッフ、外国人スタッフが一丸となり各々の役割を理解して仕事に取り組まれておりました。
※写真は日本のカーボン加工業者では2社しか持っていない大型の旋盤機
最後に、嶋社長に旭工業の特色と今後の展開についてお話しを伺ったところ、「遊びを仕事にしていきたい」という言葉が非常に印象的でした。
社員向けのイベントが多いのも特徴で健康増進のイベントとしてウォーキング講座を行ったり、Sumi シリーズの調理器具を使用して BBQ を行ったり、近年ではコーチングを導入し深いレベルで社員同士のコミュニケーション力を高める工夫がされておりました。
社会貢献も積極的に行っていきたいとのことで、地元小学校の社会科見学の受け入れや、「Sumi」シリーズをふるさと納税の返礼品とするなどの活動にも取り組みをされております。
休日は家族との旅行やカフェ巡りが趣味という嶋社長。経営者としてのみならず、みんながついつい笑顔になってしまうような、 おおらかな人柄が、「誠実な心をもち 未来の豊かなくらしを創造し 明るい笑顔の輪を拡げます」という企業理念を生み出しているのではないかと感じました。
嶋社長、ありがとうございました!!
文責 T-products(株) 代表取締役 谷田 健雄