1月県央ブログ担当の株式会社ベルザの福岡です。海老名市で歯科技工を行っており、神奈川県を中心に技術とサービスを提供しております。
今回は弊社で行った「事業継承~チームコーチングで新組織を一枚岩にする~」ための社内研修の体験談を少し報告させていただこうと思います。
同友会といえば理念経営と経営指針。そして我が社も経営理念と指針を作り、実践を続け36期目となり、2年前には3代目の新社長が就任し組織編成をして20~40代中心の会社になりました。
しかしながら、会社の根幹となる理念の浸透って口で言うのは簡単ですが、実際に社員に理解させ行動まで落とし込むのってとても難しくないですか?
「理念」と「現場(今日の仕事)」が切り離されている、という体験をされている経営者は少なくないのではないでしょうか。
(ちなみに我が社の経営理念は「私たちはベルザの心(成長・貢献)と技術を通じて、健康で心豊かな生活を提供し、国家の発展に貢献します」です)
社内会議は定期的に行っているけど発言する人が限られていて、遠慮が見られたり、他人事だったり、何を考えているのかわからなかったり、言葉足らずで誤解が生まれていたり、努力の方向が空回りしていたり・・・改善が必要なところがたくさんあることには気づいていました。
会議の方法論とかではなく、まずは幹部社員の個々の意識と、人としての在り方の部分を大きく動かしていこうと思い、外部のプロのコーチにファシリテータ(会議を円滑に進行する役割)を担ってもらい、メンバーの胸の内と頭の中を全てさらし、4日間缶詰で研修を兼ねた大会議を行い、「理念」と「現実」のギャップを埋める組織大改革のスタートとしました。
・役職年齢上下関係関わらず、参加している幹部社員の誰もが自分の意見を安心して発言できる心理的安全性の高い場を作る(周りと違う意見を述べたとしても嫌な顔をされない。このベースを作るためには特に外部の手助けがないと難しいと感じました)
・自分と他人に意識を向け、真剣に本音を出してお互いと関わる
・客観的で的確なフィードバックをもらうことで気づきを得て、多角的視点から新しい発想を生み出す
・感情の豊かさを養う
・共通認識を高め、幹部それぞれの価値観と会社の価値観(理念)を深い部分で紐づけする
・会議の「型」を学ぶ、パートナシップの「型」を学ぶ
・社長の方針に寄り添い、自主的に相互援助ができる自走型の組織を作る
こんな目的を持って研修を行いました。
新組織を一枚岩にするための会議の基本ルールとして、「全ての議題に全員が必ず発言をして、どんな意見も承認して受け入れる。全員の認識が一致するまで(腑に落ちるまで)話し合いをして決めていく。」というものがあり、最初は慣れないためなかなか着地点が合わず、一つの議題で数十分も時間がかかることがありました。
自社の強み弱みを直視して現状を明らかにし事実と向き合うことは、自分のそれと向き合う機会でもあり、自分自身に直面し、戸惑いや混乱が生まれる瞬間にも立ち会いました。
しかし「なぜそう思っているか、なぜそう考えているか」という自分の価値観をそれぞれが正直にプレゼンすることで共感性やお互いを支援する気持ちが高まり、決断までの時間も徐々に短縮されてきました。
全員参加で数多くの議題をこなすことが組織の「選択と決断」のスピードを上げるトレーニングとなっていくのです。
また会議において心理的安全性を認識できたことで、慣れ親しんだやり方を手放して別のやり方を選択しても良い、例え失敗しても軌道修正に向けて援助しあえる仲間がいると思えることで新しいチャレンジ(行動)をしていく後押しとなりました。
プロのコーチとは「的確に効果的な質問をするプロ」であり、社内での関りだけでは引き出せなかった、本人ですら自覚をしていなかった本質を引き出すプロフェッショナル。
何年も何十年も一緒に仕事をしてきた仲間でしたが、「この人はこんな価値観、人生観を持っていたのか。こんなにも成長をしていたのか。」と今更ながら気づきと感動の連続でした。
会議を経験学習の機会と捉えることで責任追及をする場ではなく「この結果から何を学ぶか、どのような改善策につなげるか、メンバーの決意レベルは高いか、部門や役職を超えてどのような相互支援が可能か」を考え行動していく、メンバーのモチベーションを創出する場、共に育ちあう教育の場に変えていくことができるという体験となりました。
コーチングを社内に取り入れていくことは、人材の育成、引いては意識変革や組織の強化に非常に有効だと考えます。
文責 株式会社ベルザ 福岡智子