神奈川県中小企業家同友会 横浜中央支部では、2022年10月より伊藤秀司(エヌ・エイ・アイ株式会社代表取締役)支部長の提案のもと、経営戦略課題解決の為の“商品アイデア研磨会”という名称で神奈川県中小企業家同友会横浜中央支部会員の事業上の悩みを他の横浜中央支部会員も共に考え、皆でアイデアをたくさん出して解決への道を探ろうという試みで 横浜中央支部の独自の活動の一つとしてまいりました。
経営者は誰もが「本当にこれでいいの?」「このサービスは売れるの?」「この商品どうやって認知してもらえばいいの?」などと言った悩みや不安を抱えています。
こうした悩みや不安を、経営者仲間に気軽に相談できる場が“商品アイデア研磨会”です。
2022年より神奈川県中小企業家同友会横浜中央支部独自の活動として始まったこの会は今年すでに16回を数えるまでになりました。
相談を受け付けると同時にできるだけ素早く数人の仲間がZoomで参加し、昼の時間をはさんでできるだけたくさんのアイデアをブレーンストーミング形式で出してゆきます。
相談者はオープンな形で気軽に相談でき、自分では思いもつかないようなアイデアや提案をたくさん聞く事ができます。
相談された会員からは、
「日々目先の売り上げに心が奪われていたのですが、皆さんの話を聞いているうちに、本来やりたかった事自分の得意とすることが何なのか改めて気づく事ができました。」
「入会したての私の話をこんなにも真剣に聞いて考えてくれる仲間がいる所なんだという事に心から感動しました。」
という参加者の声が多く届いています。
今回、2025年6月17日火曜日には新たな相談者を迎え、神奈川県中小企業家同友会横浜中央支部“商品アイデア研磨会”が開催されました。
リクエスター(横浜中央支部では相談者を「リクエスター」と呼んでいます)は
「キャリアの銀行」の戸田敏治氏
戸田氏は、キャリアコンサルタント(国家資格)、大手企業での社員教育・複業⽀援コーチ、研修講師、ライター、カメラマンなど幅広く活動。WEBサービス・新規事業開発、コンテンツ制作の分野で25 年以上の経験を持っています。特に医療・⼈材分野に強みを持ち、医師・看護師向けの教育動画・WEBサービス 開発や、厚労省関連のキャリア⽀援講座の講師も務めるなど多数の経歴を持っています。
今回はそうした経験から、中小企業におけるAI活用の現状に 少しでも自らの技術を生かしてもらいたいとのことから、どのようにしたら知ってもらい活用してもらえるようになるかとのご相談でした。
今回の“商品アイデア研磨会”のアイデアを出す側である横浜中央支部幹事参加者の各会員からは、開始時「AI活用についてはとても興味がありますね」とまずまずの反応でした。
がしかし、話を進めてゆくうちに、各個人それぞれの状況によってそのAIに対する知識とスキルのレベルにそれぞれ大きく差がある為、自社の事業をさらに発展させる為のAIを組み入れていく事については それぞれとの具体的な提案内容がはっきりとイメージできないと導入に向けての取り組み方が分からず 難しい点があるとの反応もありました。
それぞれに抱える自社の<お困りごと>をどうしたらより効率的に解決できるのかは、具体的事例を挙げて「こういう事もできる」というイメージできるものがあると考え得やすいのではという意見がありました。
また、各相談を受け付けた横浜中央支部幹事参加者(私たち横浜中央支部ではアイデアを出す側としてその名称を『アイデアマン』と呼んでいます)からは、現在抱える自社のそれぞれの様々な問題など具体的な例を挙げながら、また、戸田氏からもそれに対しての解決の為の方策など提案もありました。
さらに、それぞれのITスキルや段階や背景 業種・業態に応じた勉強会の開催や現実の問題点に沿った提案の仕方を引き続き考えてもらいたいとの呼びかけもあり、更なる期待が寄せられました。
後日、戸田氏からは、
「 多様な視点からのご意見&ご指摘をいただけるので、相手の立場に立った取り入れ方について参考になりました」との感想を頂きました。
また、「お陰様で自分の中では考えつかない発想を得られたと感じています。しかし 一方で、なんでも取り入れたら、自分の軸がなくなることにもつながるので、どのように整理したら良いかと思っていたところ、拡散しがちな発想を収束するきっかけとなるような提示する意見もあり、有難かった。それぞれに予想外でとても嬉しい発見につながりました。また足が止まりそうになったときには再度相談させてください」 との感想を頂きました。
また、以前にもすでにご紹介をしている方もありますが、この会を知って頂く為のいくつかの事例を再度ご紹介いたします。
2023年8月4日金曜日には2022年4月に創業されて間もない「楽希工業」の代表である藤本瞬氏(プラントの設計施工、鉄鋼関連全般設計施工)のご相談で、― 設計から施工現場の作業から事務作業に至るまで一人でこなされているーとの事で、たくさんの問題を抱えておられました。
参加されたアイデアを出す幹事の方からは、まず作業・業務内容を分割及び整理をし、それぞれの部分での組み立て方や具体的なサポート情報などたくさんのアイデアが出され、まずは事業体としてのHPの作成の見通しまですぐにできることとなりました。
藤本さんからは、「独立して設計施工現場と事務等バックサイドのオペレーション体制づくりについて大変に混乱していた現状でしたが、それぞれの幹事の方々の実務的サポート体制の組み立て方を教えて頂きとても役に立った」との感想を頂きました。
また、2023年9月29日金曜日には2022年6 月に開業された「シュミット税務経営事務所」の加治屋賢司氏(税理士、中小企業診断士、認定経営革新等支援機関登録者、キャッシュフローコーチ)のご相談を頂きました。加治屋さんは、国税庁・東京国税局・7か所の税務署に26年間勤務されその後、民間企業へ転職。財務部長という経理責任者の立場で経営者のサポート業務を務め2022年退職、開業されました。
相談内容は、― 一般の税理士業務だけではなく永年自分が経験してきた事学んできたスキルを活かしたいが、なかなか発揮できていない ― との事でした。さすがに完ぺきな資料作りとプレゼンでしたが、参加されたアイデアを提案される幹事の方からは、まず、今あるお客様の声をとらえる事、その中から自分のスキルを活かした自分にしかできないものを提供するなどの意見が出されました。また、加治屋さんの持っておられる高いスキルやまた半面大変穏やかなパーソナリティにも話が及びました。
後日、加治屋さんからは、「①相手がほしいと求めているもので、自分ができることを絞り込むこと。②すでに顧客となっている方々への更なる満足を与え続けることが今一番大事な事」という感想を頂きました。
また、2023年11月28日火曜日には、現在神奈川県中小企業家同友会の青年部部長としても活躍されている「弥侑feel」の代表である門倉侑美氏のご相談を頂きました。
門倉さんは、神奈川県中小企業家同友会に前職で入会され、会歴10年となりますが、一昨年独立され、終活事業、葬送事業、事務受託事業の三本柱で事業を展開されておられます。
相談内容としては、― 独立はしたが、なかなか売り上げが伸びないとの事。
終活事業や葬送事業は、その特性から、売上が上がるまで長い期間を要する為、短期間で売上が上がる事務受託事業を主にしていったほうがいいのではないか ― という事でした。
いろいろな質問等がなされ、何故門倉さんがこの終活事業を当初目指したのかを知るにおよび、参加された横浜中央支部会員幹事の皆さんから、事務受託業務は誰にでもできるが、もともと目指した終活及び葬送事業は「門倉さんだからお願いしたい、門倉さんでなければ駄目」という 今いるお客様の声には門倉さんにしかできない素晴らしい仕事であることに気づかされる。それを大事に工夫してそれを延ばす事の方が事業戦略的にも大きな可能性を秘めていると思えるとの意見が出されました。何故そのお客様方が門倉さんに厚い信頼を寄せているのかを今一度探りながら、また現在増えつつある終活事業業界の最新情報や宣材パンフレット作製についてなど多くの具体的なアイデアが出されました。
門倉さんから、「売上げ 売上げと 狭くなっていた日々の視野の中で、なぜ始める時この終活事業を目指したのかなぜこの仕事をしたいと思っていたのか忘れそうになっていました。今一度私しかできないこの仕事について皆さんのアイデアを参考にしながら、より効率的なシステムの構築を考えてさらに頑張りたい」との感想を頂きました。
ご相談の受付は神奈川県中小企業家同友会横浜中央支部会員であれば無料で何人もの経営者の方々からアドバイスやアイデアを聞く事ができます。
経営に行き詰まった時、本気で悩んだ時、新商品の開発について意見が聞きたい、こんな時はどうしたらいい?または、スタートアップ時のお困りごと等々一人では解決が難しい時、是非、横浜中央支部の“商品アイデア研磨会”がある事を思い出して下さい。
これからも引き続き、横浜中央支部では、困った時の“商品アイデア研磨会”として横浜中央支部会員の方の御相談を受け付けてまいります。
いつでも心置きなく横浜中央支部幹事へまたは神奈川県中小企業家同友会事務局へお問合せ下さい。
執筆責任者:株式会社コモド 林由美子(横浜中央支部 商品アイデア研磨会 所属)