2月のダイバーシティ委員会の例会は、川崎支部との合同開催!さらに、たま田園支部協力、企業応援センターに川崎市も加わり、障害者の「超短時間雇用」をテーマに約70名が参加し行われました。
「超短時間雇用」は、従来のフルタイムや、週の労働時間が20時間といったものではなく、1日1、2時間や月10時間といったような勤務時間での就労を推奨するものです。障害特性上や体力的な問題から数時間の勤務は難しくても、1日1、2時間などの短時間であれば十分に働ける障害者は多くいます。
そこで、短時間での勤務を希望する障害者と、短時間で働いてもらい、日ごろ手が届かない業務を担ってもらいたい企業とのマッチングの実現を試みているのが超短時間雇用で、川崎市も市内中小企業に働きかけています。
例会当日は超短時間雇用を研究し、中小企業に推奨している東京大学先端科学技術研究センター 社会包摂システム分野の近藤教授と、実際に超短時間雇用を行っている川崎市内の中手企業2社に報告していただきました。
近藤教授から超短時間雇用の概要やメリットについて解説していただいた後に、実際に超短時間雇用を進めている2社からの報告がありました。1社については、包装作業などを担当し、社内の誰よりもスピードと正確さを持って行っていること、もう1社からは、キクラゲの栽培・販売に障害者スタッフの力が欠かせないとの報告がありました。2社に共通するのは、社会貢献などの観点から障害者雇用を始めたのではなく、人手不足を補う際に紹介された人材が障害者であり、雇用してみると問題ない働きをしてくれている以上に社内で欠かせない戦力になっているとのことでした。障害者雇用というと、「CSR」などの点から必要というような話になりがちですが、純粋な会社の戦力として勤務しているところは、同友会が目指す「人を生かす」に通じるものがあります。
後半は各テーブルに分かれてのグループ討論。今回は、同友会会員のほか、川崎市の職員や、障害福祉関連施設に勤める職員なども含めて行われました。各グループで時間が足りないくらい多くの話題が出たようですが「こんな細かい仕事もお願いできるのか?という可能性から考えてみたい」「地域によるバックアップ体制があれば雇用できるのでは」といった意見がありました。またグループ討論の「明日から実践したいと思ったこと」では、「まずは仕事の細分化から進める」「社員とミーティングをしてみる」など、超短時間雇用を自社でも取り入れられるか前向きに検討してみたいという声が多く聞かれました。
神奈川同友会のダイバーシティ委員会は行政との連携も活発に行っており、今回の川崎市との例会をはじめ、先日は横浜市に出向き意見交換を行うなどをしています。
超短時間雇用や、障害者雇用をいきなり行うのは難しい、と考える企業には「実習受け入れ」からスタートすることを進めています。
ダイバーシティ委員会が運営する「ダイバーシティ職場体験協力マップ」には、実習受け入れを積極的に行っている企業が多数掲載されています。本例会をきっかけに今後、超短時間雇用などに前向きな企業が増えるようダイバーシティ委員会も一層頑張っていきたいと思います。
次回のダイバーシティ委員会例会は2023年3月13日(月)午後6時より、神奈川産業振興センターにて開催します。今回の川崎支部との合同開催に続き、次回は女性部会とのコラボ例会となります。
テーマは「社会的養護の若者達が「活躍」できるために私達がやれること PART2」。2022年12月に開催した「PART1」では映画を通し、児童養護施設の若者や、そこにかかわる大人たちの声を聞きましたが、今回は「里親」を務めている方をお招きします。リアルのみの開催予定ですが、ご参加をお待ちしています。
開催日:2023年3月13日(月)
テーマ:社会的養護の若者達が「活躍」できるために私達がやれること PART2
報告者:一般社団法人結ぶプロジェクト 理事長 山本節子氏
会 場:神奈川産業振興センター(リアル)
参加申込、詳細お問い合わせは下記よりお願いします。
●お問い合わせ先
神奈川県中小企業家同友会
横浜市中区尾上町5-80-3F
TEL:045-222-3671/FAX:045-222-3672