ダイバーシティ委員会では2025年4月11日、千葉県富津市にあるNPO法人AlonAlonが運営する「AlonAlon オーキッドガーデン(就労継続支援B型事業所)」への見学例会を実施しました。
今回の見学例会には総勢24名が参加し、チャーターバスで千葉県の事業所へと向かいました。
アロンアロンは、代表の那部さんが社会課題をビジネスで解決することを目的に立ち上げられたNPO法人であり、その子会社として株式会社も設立しています。この「NPO法人+株式会社」の体制は、福祉とビジネスの両立を実現する仕組みとして、見学者からも関心が寄せられました。
事業所では、胡蝶蘭の栽培を中心に、マンゴーや米の苗なども扱っており、近隣農家では行われていない品種や手法を取り入れることで、高付加価値かつ希少性の高い農作物の生産に成功しています。現在の胡蝶蘭市場は約360億円規模とされます。今後は農家の撤退(廃業)などで市場のシュリンク懸念されている中、アロンアロンでは逆にこの状況をチャンスと捉え、残存市場での強いポジション確立を目指しています。
また、全国の就労継続支援B型事業所の平均工賃が2万円超程度である中、アロンアロンでは6万円を超える工賃を実現しており、利用者の経済的自立を力強く支えています。
作業は60の工程に示され習熟に合わせた担当や役割があり、それは企業への就業にもつながる仕組みとなっています。
アロンアロン代表の那部智史さんは、もともとIT企業を立ち上げ、事業拡大を経験してきた経営者です。そうしたバックグラウンドを生かして、福祉事業においても従来の枠を超えた発想や戦略的視点が随所に見られました。
たとえば、「バタフライサポーター制度の導入による顧客の創出」や「事業のスケール化」など、福祉とビジネスの融合を具現化する仕組みが実際に機能しており、大企業との取引(数百万円規模)にも発展しています。これは、単なる「支援」にとどまらず、「持続可能な経済モデル」としての福祉事業を成立させている好例といえるでしょう。
アロンアロンは今後も農業分野でも独自性と競争力の高いモデルを確立しつつあります。その一方で、アロンアロンの活動は単なる事業の枠に留まらず、「物語性」や「人の想い」を重視した広報・発信戦略にも力を入れており、共感や支援の輪が自然と広がる仕掛けも構築されています。
アロンアロンは「社会課題の解決」と「経済的自立」を両立させる先進的な事例として、今後の福祉事業や地域活性のあり方に一石を投じる存在ではないでしょうか。アロンアロンの今後の活躍に期待です。