2024年5月14日、ダイバーシティ委員会のメンバーを中心に、神奈川県足柄上郡大井町にあるグッドファームさんを訪問しました。グッドファームさんは、自社ブランド「水の野菜」を育てている就労継続支援B型事業所で、「農福連携」を目指し、2023年10月にオープンしました。
就労継続支援B型事業所「グッドファーム」のオープンは2023年10月。小田原支部所属で、ダイバーシティ委員会の委員長も務めた川田俊介さん(有限会社川田製作所・代表取締役社長)が立ち上げた新会社である、株式会社グッドファームが運営しています。今回は、ダイバーシティ委員会のメンバーを中心に約10名が事業所を訪問しました。
さて、「農福連携」という言葉をご存じでしょうか。そのままですが、農業と福祉です。障害のある方が農業に従事しながら働きがいを見つけたり、社会参画を実現したりする取り組みです。農業のほうでは、障害のある方が農業に就くことで人手不足の解消や、荒廃農地をなくすことなどが実現できるといった取り組みです。
農業と聞くと畑仕事などをイメージしがちですが、グッドファームさんは農作業をしているといっても土がありません。実は、グッドファームさんが育てようとしているのは「水の野菜」です。土を使わない水耕栽培をいう手法を用い、植物工場内でレタスなどを育てているのです。
水耕栽培の特徴としては、露地栽培と比べて雑菌がつかないから市販されているものより痛みが遅いのだそう。そして、冷蔵庫に保存で1週間新鮮な状態で食べられるとのこと。しかも無農薬!良いことたくさんです!
収穫したレタスはどうなっているのかというと、地域の小売店や道の駅、地元のレストランなどに出荷され、使われているとのこと。
さらに現在も販路を拡大中で、ときには、グッドファームの利用者さんからの「ここに持って行ったら売れるのでは?」「あそこのレストランはどうかな?」といった声から、新たに販売先が生まれることもあるそうです!自分たちが栽培した野菜が育つだけでなく、販路が続々開拓されていく様子など、成果が間近に感じられることも利用者さんのやる気にもつながっているようでした。
実は、農業を始めたい!と思っても簡単ではありません。農業をするには農地が必要ですが、農地は原則として農業従事者でなければ買うことはできません。また、農地に建物を立てたい場合は農地転用の申請などをする必要があります。いろいろと行政に申請し、許可を得る必要があるのです。グッドファームさんの取り組みは地域で前例のないものだったことで行政とのやり取りは大きな負担になったようです。補助金制度なども利用し、さらにレタスの水耕栽培は数年間の実験期間を経てのスタートだったことなど、多くの困難のを乗り越えてのオープンでした。
まだまだ稼働には余裕があるとのことですが急な拡大ではなく、ていねいに利用者さんを育成されていくとともに出荷量も利用者さんの数も増やしていきたいと話されていました。今は2種類のレタスを栽培していますが、今後はエルダーフラワーやさまざまなハーブにも挑戦したいとの夢もお話ししていただきました。
川田さん、ありがとうございました!